研究課題/領域番号 |
61480162
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 継美 東京大学, 医学部, 教授 (80009894)
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研究分担者 |
本郷 哲郎 東京大学, 医学部, 助手 (90199563)
柏崎 浩 東京大学, 医学部, 講師 (60004735)
門司 和彦 東京大学, 医学部, 助手 (80166321)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 微量元素の毒性 / 必須性 / 環境条件 / セレン / マウス / 環境温による毒性の修飾 / セレン化合物 / 投与経路 / 血中濃度 / 環境温 / 亜鉛欠乏 / グルタチオンリダクターゼ / 微量元素の必須性 / 環境温度 / 生体影響の指標 / 個体群飼育 |
研究概要 |
〈研究目的〉 微量元素の毒性、必須性を変動させる要因として、これまで生体の属性、栄養条件等についての研究がなされてきたが、環境条件、特に物理的環境条件の相違による変動についての研究は少ない。本研究では、微量元素(セレン)の毒性が、環境条件(環境温)によってどのように変動するかを動物実験により検討し、生活環境の異なるヒト個体群間における微量元素の毒性の変動についての基礎情報を提供することを目的とした。 〈主要な知見〉 1.亜セレン酸ナトリウム(SS)を、マウスに投与すると一過性・環境温依存性の体温低下を誘発した。また、環境温の高い場合ーーこの場合、体温低下も認められないーーにSSの急性致死毒性が増強されることを見いだした。環境温による毒性の修飾は、動物を予め高温馴化させた場合にも見られた。さらに、短時間の環境温の変化が長期にわたる毒性発現に影響しうることを認めた。これらの結果は、環境温がセレンの毒性を評価する上で、特に産業衛生学的に、重要な意義を持つ可能性をしめす。2.SSの他の生体影響を環境温あるいは体温低下との関連から検討した。死亡・体重変化を指標とするgross tpxicity、および、摂食昂進作用は環境温に依存した。これに対し、SSによるメタロチオネインの誘導は環境温に依存せず、また無機水銀の毒性軽減は体温低下とは直接には関係しないとの結果を得た。このように、環境温による毒性の修飾が体温の低下を介しているという可能性を別にすれば、亜セレン酸による体温低下の中毒学的意義は明確ではなかった。なお、SSによる体温低下誘導の起こる詳細な機序は不明であり、特異性の問題を含め、今後検討していく予定である。 以上の結果以外に、微量元素の必須性の変動、ならびに、環境条件としての酸素分圧についても、検討の予定である。
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