研究分担者 |
中村 秀喜 金沢大学, 医学部公衆衛生学, 助手 (70172426)
井奈波 良一 金沢大学, 医学部公衆衛生学, 助手 (10168411)
野原 聖一 (野原 誠一) 金沢大学, 医学部公衆衛生学, 講師 (70115260)
有泉 誠 金沢大学, 医学部公衆衛生学, 助教授 (90143883)
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研究概要 |
1.低周波空気振動の睡眠影響に関する暴露実験:低周波空気振動による睡眠影響の発現の有無・程度ならびに騒音の場合との比較検討を行った. 種々の周波数・音圧を組み合わせた低周波空気振動ならびに模擬交通騒音を睡眠中に暴露し脳波を記録した. (1)10, 20, 40, 63Hzの低周波空気振動に暴露した場合の反応率はノンレム睡眠ではS1で最も高くS3+4で最も低かった. レム睡眠では反応の陽性率はS2と同程度であった. 反応率50%以上となる音圧レベルをその周波数の睡眠への影響発現の閾値とすると, 10および20Hzに関しては評価することができなかったが, 40Hzでは95dB, 63Hzでは90dBと設定することができた. 低周波空気振動を暴露しても, 睡眠率, 睡眠段階移行回数, 睡眠段階別出現率には特記すべき変化は認められず低周波空気振動の睡眠への影響は小さいことが示唆された. (2)10〜20Hz, 10〜40Hz, 10〜80Hzの帯域の低周波空気振動を暴露した場合には, 音圧が70dB以下の場合には10〜20Hzの帯域で影響が把握できること, 影響は一過性で睡眠パターンはほとんど影響を受けないことが示唆された. (3)低周波領域(25Hz)に音圧レベルのピークをもつ模擬道路交通騒音(40, 50, 60dB・L50)に暴露した場合にはいずれの睡眠段階でも60dBで最も大きな影響を受けたが, S1の場合には40dBでも反応率は51%に達した. また, 交通騒音暴露の影響は一過性のものとはいえず, 睡眠パターンにかなりの影響を与えることが示唆された. 2.住民反応調査:実際に低周波空気振動が発生している地域の住民に面接調査を行い低周波空気振動の影響を騒音による影響と比較しつつ検討した. (1)種々の訴えは環境の騒音レベルでは60dB, 低周波空気振動の音圧レベルでは80dBでより顕著になった. (2)睡眠の妨害に関しては低周波空気振動によるとする傾向より, 騒音によるとする傾向の方がはるかに大であった.
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