研究分担者 |
兼光 望 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (20177546)
羽藤 高明 愛媛大学, 医学部, 助手 (30172943)
玉井 伴範 愛媛大学, 医学部, 助手 (20179873)
安川 正貴 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (60127917)
塩坂 孝彦 愛媛大学, 医学部府属病院, 講師 (90035486)
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研究概要 |
1.日本脳炎(JE)ウイルス中山株に対するモノクローナル抗体を用いてJEウイルスを免疫学的に4群に大別し, さらにJEウイルスの抗原構造について解析した. 次いで現在の流行株のうち代表的な上山株に対する抗体を作製し, 国内・国外各地で分離された25株のJEウイルスの免疫学的性状を解析して4群に大別し, 抗中山株抗体による分類と比較検討した. また, 生物学的活性の検討においては中和活性をもつ抗体では感染防御効果が認められ, 中和活性をもたない抗体にも感染防御効果を示すものがあることが明らかになった. 2.ワイル病レプトスピラに対するモノクローナル抗体としてserovar icterohaemorrhagiaeとcopenhageniとにそれぞれ特異的な抗体を作製し, 正確な病原学的診断法を確立したが, さらにserovar smithiとnaamに対する多くの抗体を作製して同じ群に属する血清型間の免疫学的性状を解析した. さらに, それらの抗体に対応するレプトスピラの抗原決定基を解析した結果, 分子量23KDの糖脂質であることが明らかになった. 3.つつが虫病リケッチアは, Gilliam,Karp,Katoの古典的代表株に加えて, 宮崎, 新潟の新分離株に対しても反応性が異なる多数の抗体を作製して詳細な抗原分析を行った. さらにそれらの抗体に対応する抗原の分子量について検討の結果, 株特異性抗原は60KD,株間の共通抗原は, 44KD,60KD,61KDの蛋白上に存在することが明らかになった. 4.血小板の粘着・凝集の本態と機序を明らかにするために作製した抗血小板抗体のうち, 血小板凝集を惹起するPMA-2は24KDの血小板膜蛋白と反応がみられ, また末梢ルンパ球には反応しないが, 急性リンパ性白血病細胞に結合することから, PMA-2の認識抗原はCD9抗原であることが考えられた. PMA-2は血小板フィブリノーゲン受容体を細胞表面に発現させることができ, この受容体の発現が血小板から放出されるADPとトロンボキサンに依存していることを明らかにした.
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