研究概要 |
1.″C標識イミプラミンの合成--デシプラミン(5mg)をアセトン(1.5ml)に溶解し, ドライアイスーアセトン冷却下″CH_3Iを吹き込み, 50°C10分間反応後, HPLCで精製を行った. 単離した標識体を塩酸塩とし, 生理食塩水に溶解滅菌し, ″C標識イミプラミン注射液を得た. ″CH^3I吹き込み後30分で製剤化を終了し, 放射量9mCi, 放射化学収率42%, 放射化学的純度99%以上い, 比放射能37Ci/mmolであった. 2.″C標識イミプラミンの体内・脳内動態--″C標識イミプラミンのマウス投与60分までの分布を検討すると, 肺及び腎臓に高い集積がみられた. また投与後短時間で脳に取り込まれ, その取り込みは用量依存的であった. 脳内では線状体, 視床下部に高い分布を示し, 他の部位と異なり, 投与後60分でも放射活性の減少はみられなかった. 非標識イミプラミンの前投与によっても″C標識イミプラミンの取り込みは抑えられず, むしろ増加の傾向にあった. 3.″C標識メタンフェタミンの合成--アンフェタミン(5mg)をアセトン, (1.5ml)に溶解し, ドライアイスーアセトン冷却下″CH_3Iを吹き込み, 50°C, 10分間反応後, HPLCで精製した. 単離した標識体を塩酸塩とし, 生理食塩水に溶解滅菌し, ″C標識メタンフェタミン注射液を得た. ^″CH_3I吹き込み後, 30分で製剤化が完了, 放射量1mCi, 放射化学的収率20%, 放射化学的純度99%以上, 比放射能20Ci/mmolであった. 4.″C標識メタンフェタミンの体内・脳内動態--″C標識メタンフェタミンのマウス投与60分まで検討すると, 大部分は腎臓に分布していた. 脳内では用量依存的に取り込まれ, 線状体, 皮質, 視床下部, 海馬は, 中脳, 小脳, 延髄に比較して高かった. 非放射性メタンフェタミンの前および後の大量投与により脳への取り込みは減少せず, むしろ増加する傾向にあった.
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