研究課題/領域番号 |
61480242
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 九州大学 (1988) 佐賀医科大学 (1986-1987) |
研究代表者 |
前田 久雄 九州大学, 医学部, 助教授 (60089919)
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研究分担者 |
牧 正興 佐賀女子短期大学, 児童教育学科, 教授
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1986年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 攻撃行動 / 視床下部 / 中脳中心灰白質 / 外側中隔 / 側坐核 / セルレイン / 扁桃核 / ドーパミン作動薬 / 細胞外記録 / 環境刺激 / 視床下部腹内側核 / 防御攻撃 / 怒り / ドーパミン / 後退反応 / 情動回路 / 出力路 / 脳室内投与 |
研究概要 |
当該研究期間中の研究成果は、その内容によって次の3つに区分けできた。 1.攻撃行動の中枢機序に関する研究 (1)視床下部腹内側核(VM)刺激と同側の、中脳中心灰白質(PAG)の吻側部分(耳孔間線より2mm以上吻側)を破壊すると、VM刺激による防御攻撃反応(HDA)の閾値が全て上昇ないし消失することが明からになった。このことはPAGのこの部分が、VMからの出力路を形成していることを意味している。 (2)外側中隔(ES)を破壊すると、HDAに対する環境刺激による促進性の影響が更に促進されることを以前著者が報告した。今回この効果に対するLS内の責任部位について多数のネコを用いて検討した。その結果、前交連より吻側にあるLSが、少くとも25%以上、両側性に破壊された時に上記効果が発現することが明らかになった。 (3)側坐核は、HDAの中枢機序としては機能していないことが示された。 (4)多数例を用いて、HDAの行動特徴とVM内外の刺激部位、刺激閾値との関系を詳しく分析した。その結果。低い閾値を持つ典型的なHDAはVM内(特に背側部)、閾値が高いものはVMの周辺部、後退反応はVMの腹側部分の刺激によって現われることなどが明らかにされた。 2.HDAに対するセルレインの作用。少量(1,10μg)のセルレインをネコの脳室内に微量注入すると、用量依存的にHDAの全ての閾値が低下し、この低下はハロペリドールによる前処理(ip)によって防止されることが判明した。これは、レルレインが中枢興奮性の作用を持つことを示唆している。 3.扁桃核ユニットの対する環境刺激およびドーパミン作動薬(DAA)の影響。 扁桃核ユニットの約1/3が環境刺激のよる影響をうけ、その中の2/3は非特異的情動興奮、1/3は特異的情動興奮と相関いていた。DAーAは、自然発射頻度、刺激への反応制の双方に影響を与えた。
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