研究課題/領域番号 |
61480268
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
折田 薫三 岡山大学, 医学部, 教授 (20033053)
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研究分担者 |
上川 康明 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (00152851)
田中 紀章 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (10127566)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1987
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研究課題ステータス |
完了 (1987年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 肝再生 / NK細胞 / LAK細胞 / インターロイキン2 / サイクロスポリンA / FK506 / ノイラミニダーゼ / 肝硬変 / 肝部分切除 / 活性化キラー細胞 / ILー2 / 抗腫瘍活性 / 部分肝切除 / 肝癌 / 特異的キラーTリンパ球 / 非特異的キラーリンパ球 |
研究概要 |
大量に肝切除を行うと肝は活発な再生を示すが、この肝再生を制御する機構については未知な点が多い。肝再生制御機構に免疫機構が関与していることを示唆する幾つかの報告が存在する。我々も肝切除後の肝再生過程において、NK活性、LAK活性などのキラーリンパ球の活性が増強されることを見出した。このキラー活性は再生肝細胞に対しても発揮されることから、これらのリンパ球が肝再生の抑制を行っている可能性を検討するため、マウスに70%部分肝切除(肝切)を行い、経時的に脾および肝より細胞を採取し以下のとおり検討した。 LAK細胞の再生肝細胞に対する細胞障害活性は肝切後1日目より認められ、このcytotoxicityに対する再生肝細胞の感受性は6日目を頂点としてその後は減衰する。このin vitroで示される活性が実際にin vivoで働き肝再生を抑制することができるか否か、次に検討した。70%肝切の12時間後にLAK細胞5〜10×10^7コを静脈内投与し、36時間後の肝再生におよぼす影響をBrdU標識法により検討した。LAK細胞の肝集積性を高めるためにLAK細胞をあらかじめノイラミニダーゼで処理したものを用いるとBrdU標識でみた肝再生の阻害率は52〜56%程度認められた。 IL-2の腹腔内投与は肝内のNK/LAK活性を増強し、肝切後IL-2を投与するとLAK細胞投与の場合と同様に肝再生の抑制がみられた。肝切後の脾細胞のIL-2再生産は高まるので、肝内のNK/LAK細胞はこのIL-2の刺激を受けて活性化され肝再生を制御しているものと考えられる、そこでIL-2産生阻害剤であるcyclosporineA5〜10mg/kgを肝切の前後に投与したところ肝再生の促進が159〜226%観察された。FK506にも同様の効果が認められた。 以上の結果から肝再生の制御にNK/LAK細胞が関与しており、肝切後活性化されるNK/LAK細胞活性を抑制することにより肝再生を促進することが可能であると考えられた。
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