研究課題/領域番号 |
61480269
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
土肥 雪彦 広島大学, 医学部, 教授 (90034024)
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研究分担者 |
浅原 利正 広島大学, 医学部, 助手 (70175850)
福田 康彦 広島大学, 医学部, 講師 (40093801)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 同所性肝移植 / 肝保存 / 虚血ー血流再開細胞障害 / 抗酸化物質 / フリーラジカル / 肝移植後胆汁流量 / カフ血管吻合 / 脂質過酸化現象 / 肝虚血 / 血流再開細胞障害 / 同時性肝移植 / 虚血一血流再開細胞障害 / カフ血管吻口 / ラット肝移植 / ラット肝移植手技 / ラット移植肝組織酸素飽和度 / ラット移植肝viabilityの判定 / ラット移植肝胆汁流量 / ラット移植肝ATP / ラット移植肝水分含量%; |
研究概要 |
1.臓器移植における保存臓器移植後血流再開時の細胞障害、いわゆるreperfusion injuryの病態を解明することは長期保存を可能にするうえで重要な課題である。そこで我々はまずラット同所性肝移植の技術的確立に専心し、極めて安定した移植実験モデルを完成した。 2.抗酸化剤であるCoenzyme Q_<10>(CoQ_<10>)の前投与が温阻血で加えた肝の移植に有効であることを生存率により実証した。 3.肝細胞のreperfusion injuryが血流再開過程で増加する過酸化脂質による生体膜障害に起因することを明らかとした。前投与CoQ_<10>はその抗酸化作用により生体膜過酸化脂質生成を正常レベルに抑性し、かつ内在性抗酸化物質(CoQ_9,CoQ_<10>)の減少を防ぐことにより膜構造維持に寄与することを次で実証した。従ってCoQ_<10>投与はその膜障害保護によって組織浮腫を軽減し、末梢循環を改善して肝viabilityの上昇をもたらしたものと推測された。 4.種々の条件下における温阻血肝移植後の胆汁流量の回復を検討した。その結果胆汁流量は肝ATPの回復、肝viabilityとよく相関することが明らかとなった。従って胆汁流量は移植後の非侵襲的肝機能発現を判定する上で信頼できる指標と考えられ、移植早期のグラフト機能不全(primary graft failure)の判断に有用と思われた。 5.移植血管吻合時の温阻血時間短縮と無出血を計る目的で吸収性材質(ポリラクタイド)からなるカフをラット肝移植モデルの血管吻合に応用した。カフは20週目に完全に吸収され、狭窄所見、血栓形成を認めず良好な血流が保持されていた。将来臨床的臓器移植手術に応用可能と思われ、短時間、無出血吻合法として優れた手技と考えられた。
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