研究分担者 |
武田 和憲 東北大学, 医学部, 助手 (20171639)
小針 雅男 東北大学, 医学部, 助手 (30170369)
KAQUNORI Takeda Tohoku University School of Medicire, assistaut (KAWAZOE,Yosh)
久野 弘武 東北大学, 医学部, 助手 (30181093)
宮下 英士 東北大学, 医学部, 助手 (00133059)
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研究概要 |
1.臨床例における免疫能の検討:膵頭切除術後の免疫能はNK活性をはじめ著明に低下するが, ピシバニールの術前投与に予防しうる. 2.膵癌モデルにおける肝転移機序の検討:マイクロプレートへの膵癌細胞の接着能はフィ・ブロネクチンを介する場合がより強かった. さらに人血管内皮細胞への高い接着能を観察した. またヌードマウスにおける人膵癌細胞の肝転移形成はNK活性により影響されるものと考えられた. 肝転移形成初期におけるレクチンの関与を検討し, 膵癌細胞はConA, WGA, RCAとの親和性の高いことが判明した. 一方, 肝組織内にはレクチン様物質の存在は確認されず, 肝転移形成におけるレクチンの関与はいまだ明確ではない. 3.人膵癌細胞の抗癌剤感受性:人膵癌細胞の抗癌剤感受性は一定ではないが接触時間を48時間とすることで臨床的濃度でも十分殺細胞効果が得られた. またMMC, ACR, 5Fuは2剤併用により相剰的増殖抑制効果を示した. 4.血小板凝集阻害剤プロスタグランディン(PG)の肝転移抑制効果の検討:ハムスター実験膵癌肝転移モデルにおいてPGの門脈内注入による肝転移抑制効果を検討した. 肝転移結節数はPGI_2, PGE1の順に有意に減少した. 現在臨床例においてもPG門脈内投与の効果を検討中である. 5.抗膵癌抗体結合リポソームを用いたtargering chemotherapyの検討:in vitro, in vivo相方において, 抗CA19-9抗体結合ADM封入りリポソームはfreeADMに比べ有意に高い腫瘍細胞増殖抑制効果を示した. 今後は臨床例において, PGとの併用による肝転移防止効果を検討していく予定である. またヌードマウス肝転移モデルの作成は, これら臨床応用の基礎研究に不可欠である.
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