研究分担者 |
清野 隆吉 東京女子医科大学, 循環器外科, 助手 (60138914)
榊原 尚豪 東京女子医科大学, 循環器外科, 助手 (70119957)
今村 栄三郎 東京女子医科大学, 循環器外科, 講師 (10075301)
遠藤 真弘 東京女子医科大学, 循環器外科, 助教授 (20075302)
橋本 明政 東京女子医科大学, 循環器外科, 教授 (90075185)
江石 清行 東京女子医科大学, 循環器外科学, 助手 (20167290)
北村 昌也 東京女子医科大学, 循環器外科学, 助手 (90183300)
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研究概要 |
最近2年間の当施設における心移植および心肺移植に関する主な4つの研究の成果を示す. 1.犬を用いた体外循環下同種同所性心移植では, 適合血液輸血による溶血の防止および血液充填・中流量体外循環による肺水腫の予防が重要であった. 移植前後の圧容積曲線から術後急性期の収縮末期の圧/容積比の低下が示唆された. 電気生理検査では, 急性期の移植心各部の伝導性および不応性に有意の変化は認められなかった. なお, この実験を通して, 臨床応用に即応しうる同所性心臓移植手技, ドナー心採取手順ならびに手術周辺期の管理に習熟した. 2.異所移植心における急性拒絶反応の電気生理学的検討では, 病理所見上の刺激伝導系への細胞浸潤にたいする房室伝導系の有効不応期の延長のsensitivityは有意であり,移植心の電気生理学的モニタリングの可能性が示された. 3.移植肺のFlow-Resistance Relationの検討では, 術後の含気量低下を中等度に抑えられれば, 片側移植肺の血管床は全肺血流を担う能力を正常肺とどうよう維持しており, 肺高血圧症の有効な治療法となると考えられた. 4.肺保存における人工サーファクタントの効果の検討では, 保存後の肺のcomplianceおよびI型肺胞上皮細胞により形成されるair-blood-barrierは, 非投与群に比べサーファクタント投与群で良好に保たれ, 人工サーファクタントの有用性が示唆された.
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