研究概要 |
脳原発性悪性リンパ腫の免疫学的特性は長年不明のままであった. 本研究の目的の第一はこの腫瘍のsurface makerの検索を行いその免疫学的特性を明白にすることであった. surface makerの検索はこの腫瘍8例の生鮮凍結切片を対象に表面免疫グロプリンを含めた各種B cell makerとE rosetfe receptor抗原OKT-1)を含めた各種T cell makerについて酵素抗体法にておこなった. その結果, 免疫グロプリンに関しては約半数例でH鎖, L鎖のmonoclonalityが証明された一方, 残りの例ではそれが不明確であった. しかし他のB cel makerが種々の組合せであるが検出されること, およびT cell markerが検出されないことより全例がB cell lymphomaと確定可能であった. また同様の検索をその由来細胞についての議論の分かれていたneoplasticangioendotheliosisの血管内腫瘍細胞についてもおこない, それがやはりB cell lymphomaのphenotypeを示すことを明らかにした. 次に脳原発性悪性リンパ腫5例より高分子DNAを抽出し免疫globulin遺伝子再構成についての検索をJ〓,Cx,C〓 geno〓ic DNA cloneを用いてsoutheriblot hybridizationにて検索したところ全例に再構成を認め得た. がん遺伝子に関してはリンパ腫DNAのNIHBTBへのtransfectlonを試みて来たが現在までにcolony形成をみていない. またEBV感染についての検索でも全例がEBNA陰性であっ. 現在は既知oncogene probeを用いてその増幅の有無, 免疫globullin遺伝子へのtranslocationの有無の検索を進めている段階である.
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