研究課題/領域番号 |
61480312
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松角 康彦 熊本大学, 学長 (30037337)
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研究分担者 |
河内 正人 熊本大学, 医学部付属病院, 助手 (70178218)
三浦 正殻 (三浦 正毅) 熊本大学, 医学部, 助手 (00192352)
倉津 純一 熊本大学, 医学部, 講師 (20145296)
植村 正三郎 熊本大学, 医学部, 助教授 (00128258)
吉岡 進 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (00182725)
児玉 万典 熊本大学, 医学部, 助教授 (60040581)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 脳腫瘍転移 / 髄液腔 / シアル酸 / ACNU / 脳腫瘍 / 髄液腔内播種 / 転移 / アポ蛋白E / 癌細胞凝集因子 / スフェロイド培養 / 浸潤 / 膜表面物質 / 核磁気共鳴 |
研究概要 |
1)脳腫瘍の悪性度および播種転移の診断について:脳腫瘍患者の髄液中シアル酸値を指標として、とくに悪性度との相関、および髄液腔内播種症例における治療による変化について検討した。髄芽腫膠芽腫等の悪性腫瘍群5.26±2.39mg/dl,良性腫瘍群1.82±1.61mg/dl非腫瘍性疾患群1.64±1.61mg/dl出悪性腫瘍群では有意の上昇がみられた。また髄液腔内播種症例では治療後シアル酸値の減少を認めた。かくして髄液腔内シアル酸値測定は脳腫瘍の悪性度の診断に有用であり、また髄駅腔内播種転移の各種治療効果判定にも有用であると考えられた。 2)免疫組織学的検討では細胞凝集因子(AF)に関して良性星細胞腫、悪性星細胞腫の大部分で陽性であり、髄芽腫、松果体腫では陰性であったが、逆にファイブロネクチン(FN)は髄芽腫、松果体腫で陽性例が多かった。またPNAreceptorは未分化な髄芽腫では存在しなかった。臨床的に髄液腔内播種・転移を来した症例の脳腫瘍組織ではAF陰性、StromalFN陽性の傾向を示し、つまりAFの欠如が脳腫瘍細胞の解離、またStromalFNの存在が転移部での脳腫瘍細胞と基底膜との結合を促すことが転移成立に大きな役割をはたしているという知見を得た。 3)髄液腔内播種転移の治療効果の増強のためにニトロソウレア系抗癌剤であるACNUの髄液腔内投与の基礎実験として雑種成犬3頭を用いて髄液腔内にACNUを投与し、神経毒性および薬物動態について検討した。その結果、神経症状の出現および脳脊髄の病理学的変化は見られず、灌流法によってのみ広くクモ膜下腔内にACNUを分布させることが可能であり、灌流液容量および投与時間をかえることにより最高濃度および濃度曲線下面積を種々調節することが可能であった。ACNU髄腔内灌流療法は脳腫瘍の髄液腔内播種・転移に対して有効な治療法となり得ることが示唆された。
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