研究課題/領域番号 |
61480382
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三条 大助 (1988) 東北大学, 歯学部, 教授 (70013943)
小倉 保己 (1986-1987) 東北大学, 歯学部, 教授 (60091667)
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研究分担者 |
小倉 保己 東北大学, 歯学部, 教授 (60091667)
平藤 雅彦 東北大学, 歯学部, 助手 (20142987)
三条 大助 東北大学, 歯学部, 教授 (70013943)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1986年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 起炎症性物質 / PAF / 血小板凝集 / 血管収縮 / 歯髓炎 / アドレナリン / 気道抵抗 / 抗アレルギー薬 / 血小板活性因子 / 肺抵抗 / 抗ヒスタミン薬 / 微小循環 / 歯髄の炎症 / 細胞内Ca / 氣道抵抗 / ビタミンB_1関連物質 / オータコイド / 毛細血管透過性 / 歯髄炎 / 神経性炎症 / 筋弛緩薬 |
研究概要 |
歯髓は易刺激性であり、炎症を惹起し易い。生体内に起原を有する起炎症性物質(ヒスタミン、ブラジキニンなど)の歯髓内存在と役割についてはすでに報告した。しかしこれらの物質のみで歯髓の炎症感受性亢進状態を説明することは困難である。最近起炎症性作用が注目されだした脂質由来で、かつ血小板凝集能をもつPAFが、本研究で取上げられた。その結果、歯髓組識は、PAF生合成能を有するとともに、PAFに関係の深いプロスタグランジン(PG)やトロンボキサン(TX)もまた合成促進されることが、従来の一連の研究の成果とともに明らかにされた。さらにこれら起炎症性物質相互の間には、PAFはPGI_2>TXA_2の生合成を賦活化し、遊離量を増加することが明らかにされた。その作用発現の場としては歯髓血管内皮細胞が注目された。さらにPAFは内皮細胞内Caイオン量の増加を生じ、歯髓の炎症感受性亢進の素地形成にあずかることを示唆した。炎症によって生じる微小循環動態の変化に、PAFがどのような関わりをもつかについて、各種の病態モデル動物を用いて検した結果、PAFは血中アドレナリンの血管収縮作用の増強をもたらし、この作用は平滑筋中血管平滑筋に特有にみられ、また神経性炎症に対しては影響せず、PAFの毛細血管透過性亢進作用は明らかに血管内皮細胞の存在を必須の条件とすることが明らかにされた。このことは、競合型筋弛緩薬の筋弛緩作用がin vivo標本でのみ得られることより支持される。しかしPAFの気管平滑筋収縮作用(肺抵抗実験)は、抗PAF薬のみならず、抗アレルギー薬、B_1関連化合物により拮抗されるが、PAFの血小板凝集作用そのものには影響しない。それ故、PAFは初期炎症において、歯髓組織からの起炎症性物質の遊離に先立って、炎症素地を形成するとともに起炎症性物質の反応に便宜を供与していると考えられる。
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