研究課題/領域番号 |
61480415
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
谷岡 博昭 愛媛大学, 医学部, 教授 (10028748)
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研究分担者 |
浜川 裕之 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (20127905)
長門 俊一 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (80084284)
橋本 温 愛媛大学, 医学部, 助教授 (30108831)
大野 邦博 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (00111609)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1986年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 唾液腺 / 唾液腺腫瘍 / 筋上皮細胞 / 多形性腺腫 / 粘表皮腫 / NBD-phallacidin / アクチンフィラメント / 導管上皮基底細胞 / ケラチン単クローン抗体 / 抗平滑筋ミオシン抗体 / 抗プリケラチン抗体 |
研究概要 |
愛媛大学医学部附属病院において唾液腺腫瘍と診断された70例に対し免疫組織化学的研究を行い以下の結果を得た。Sー100a抗体は唾液腺腫瘍のうち多形性腺腫のみを陽性に染色した。多形性腺腫に存在する導管様構造物は機能分化度に応じたlactoferrinやsecretary componentの産生能を有していることが明らかとなった。これらの結果は、唾液腺腫瘍の発生由来に関し、Re-geriの提唱するbicllulare説を支持する結果を得た。 唾液腺腫瘍の発生を知る目的で、低分化型粘表皮腫をヌードマウス皮下に移植し、継代移植片を病理組織学的に検索した。粘表皮腫に存在する粘液産生細胞は扁平上皮細胞や中間型細胞から分化、化生する可能性を示唆する結果を得た。 唾液腺の生後の発育分化過程を研究するため、ラット顎下腺を用い、電顕的、形態計測的に観察した。ラット顎下腺の発育過程で唾液腺に存在するterminal tubule cellは徐々に減少し、生後6週でほとんど消失した。これに反しacinar cellは優位に増加した。しかし電顕的観察より、terminal tubule cellが、acinar cellへ分化する可能性は否定された。また離乳を遅らせた場合、新生仔ラット唾液腺の発育は著明に遅延することが解った。 唾液腺細胞のなかでも腫瘍発生に重要な役割を演じていると考えられる筋上皮細胞の発生、分化に関し、NBD-phallacidinを用い、ラット舌下腺筋上皮細胞の発育過程を観察した。出生時に未熟な筋上皮細胞と考えられる細胞が終末部辺縁に初めて観察された。生後3、4日頃には、細胞の突起部が形成され、アクチンの集束化が認められた。生後10日目には筋上皮細胞の数も増加し、集束化も著明となり、生後60日で筋上皮細胞は成長、成熟を完了し、腺房細胞を取り巻く星状の形態を呈することが解った。
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