研究課題/領域番号 |
61480419
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児・社会系歯学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
中村 亮 徳島大学, 歯学部, 教授 (30034169)
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研究分担者 |
嶋田 順子 徳島大学, 歯学部, 教務職員 (10170945)
日野出 大輔 徳島大学, 歯学部, 助手 (70189801)
遠藤 順子 徳島大学, 歯学部, 助手 (20176796)
前原 玲子 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (30181605)
佐藤 誠 徳島大学, 歯学部, 助教授 (10126229)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1988年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | バクテロイデス・ジンジバリス / コラゲナーゼ阻害物質 / 歯周病 / 大豆 / バクテロイデス / ジンジバリス / コラゲナーゼ活性阻害剤 / 大豆タンパク |
研究概要 |
大豆中に、歯周病の病原因子と考えられるB.gingivalis由来のコラゲナーゼの活性を阻害する物質が含まれることを初めて明らかにした。大豆ならびにその加工物は日本人にとって貴重な栄養源である。したがって、本物質によってB.gingivalisの病原性の減弱化ができれば、歯周病の予防につながるのではないかとの考えから、本物質を抽出精製しその性質を調べるとともに細胞レベルでその影響を調べた結果、次のことが判明した。 1.大豆より抽出した、B.gingivalis由来のコラゲナーゼの活性阻害物質はソイビーン・トリプシン・インヒビターとは全く異なる物質である。 2.分子量は約700Kdaltonと大きいが、ラウリル硫酸ナトリウムにより処理すると、100Kdalton以下25Kdalton 以上の4〜5個のサブユニットに分れる。 3.ソイビーン・トリプシン・インヒビターとは異なり加熱に対して非常に安定で、阻害活性はむしろ増強される。 4.本物質はB.gingivalisのコラゲナーゼの活性を阻害するが、C.hystolyticumのコラゲナーゼやB.gingivalisのプロテアーゼには作用しない。 5.本物質を加熱処理すると、B.gingivalis由来のコラゲナーゼがヒト歯肉線維芽細胞(HGF)に示す強い細胞傷害に対し抑制作用を示す。 6.本物質はHGFそのものに対し何等為害性を示さない。 以上の結果より、大豆より抽出部分精製したB.gingivalisのSH依存性コラゲナーゼの活性を阻害する物質は、B.gingivalisによる歯肉の細胞傷害を予防することにより、その病原性を減弱させることが判明した。このことは大豆ならびにその加工食品は歯周病に対する保健食品としての可能性が示唆されるとともに、将来、本物質を歯周病の予防に応用出来る可能性をも示唆したといえる。
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