研究課題/領域番号 |
61480423
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児・社会系歯学
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
大森 郁朗 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70064342)
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研究分担者 |
水野 弥生 鶴見大学, 歯学部, 助手 (40200018)
清水 保 鶴見大学, 歯学部, 助手 (60187458)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 酸処理エナメル質 / 再石灰化 / HEBP / フッ化物溶液 / フッ素徐放性シーラント / SEM観察 / 分析化学検討 / フッ素取り込み量 / 歯質の耐酸性 / 脱灰エナメル質 / 酸性フッ素リン酸溶液 / フッ素濃度 |
研究概要 |
歯冠表面のエナメル質や窩洞辺縁のエナメル質を酸処理して、そこへ接着性レジンを塗布し、修復物と歯質と接着させる臨床術式は歯科診療技術に著しい進歩をもたらしたが、口腔内に露出されたままとなる脱灰エナメル質表面の処理については、改善を要するところである。 本研究は酸処理を施したエナメル質表面の口腔液による再石灰化現象を、本研究室で開発した灌流系実験装置を用いて、in vitroで検討することを目的として行った。 すなわち、脱灰エナメル質表面に石灰化促進因子としてフッ素を、また石灰化阻害因子としてdiphosphonateの一種であるHEBPを作用させて、それらの因子が再石灰化過程に及ぼす影響を、分析化学的ならびに電顕的に検討し、それぞれの結果を「酸処理エナメル質の再石灰化におよぼすHEBPの影響」(清水保、1986)および「酸処理エナメル質の再石灰化に及ぼすフッ素濃度の影響」(水野弥生、1987)という2論文にまとめて公表した。 また、本研究の後半では新たに開発されたフッ素徐放性シーラントから遊離してくる微量フッ素の、周辺酸処理エナメル質の再石灰化に及ぼす影響を同様な手段を用いて検討し、その結果は「In vitro study on the fluoride releasing resin sealant」(Y.Mizuno and I.Ohmori,1989)と題して、本年5月に北京で開催された第2回国際予防歯科学会のCongress Proceedingsに公表した。 これら一連の研究結果は、本研究室で開発した灌流系実験装置が、in vitroにおける再石灰化現象の検討に適したものであることを明確にし、酸処理エナメル質の再石灰化に、低濃度のフッ素イオンの存在が、組織学的にも、分析化学的にも好ましい影響を与えることを明らかにすることができた。これらの結果は、臨床への活用も可能であり、また本研究の基礎を確立したものと考えられる。
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