研究課題/領域番号 |
61480429
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川嵜 敏祐 (川崎、敏祐 トシスケ) 京都大学, 薬学部, 助教授 (50025706)
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研究分担者 |
菅原 一幸 京都大学, 薬学部, 助手 (60154449)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 動物レクチン / 一次構造 / cDNA / シグナルペプチド / コラーゲン / 内在性リガンド / 血清糖タンパク質 / リソソーム酵素 / レクチン / マンナン結合タンパク質 / ノーザン分析 / mRNA / 肝レクチン / コラーゲン構造 / スプライシング / 三重ラセン構造 / ラット肝cDNAライブラリー |
研究概要 |
本研究は代表者らにより初めて見い出された動物レクチンである肝マンナン結合タンパク質(肝MBP)の構造と機能を遺伝子操作技術を用いて解明しようとしたものである。3年間の研究により次の点が明らかとなった。 1.ラット肝MBPの全一次構造をcDNA塩基配列を決定することにより明らかにした。分子量32,000の成熟肝MBPはGluをN末端、AspをC末端とする226個のアミノ酸からなり、プレ肝MBPではこのN末端にさらにMetに始まる18個のシグナルペプチドが結合していた。本レクチンのN末端近傍Gly_<20>からSer_<78>まではGlyーXーYの構造が19回繰り返していた。本構造はコラーゲン分子に特徴的な構造であり、本レクチンは分子内にコラーゲン様構造をもつ非常に興味深い構造をもつことが明らかとなった。本レクチンをコラーゲナーゼ消化して得られる分子量約20,000のC末端側ペプチドは糖結合活性を示し、ここに糖結合ドメインが存在することが示された。また、本レクチンをβ-メルカプトエタノールなどで還元すると失活し、空気酸化により活性を回復することから、このC末端近傍に存在するシステインの間にジスルフィド結合が形成され、これが活性発現に必須であることが示された。 2.肝MBPの内在性リガンドの同定に成功した。肝マンナン結合タンパク質は肝細胞内でとくに粗面小胞体に局在しており、ここには同時に内在性のリガンドが存在することが示されていた。今回、MBPを固定化したカラムを用いることにより内在性リガンドを単離し、特異的抗体を用いるウエスタンブロットにより検索したところ、これらの内在性リガンドはα_1ー酸性糖タンパク質、α_1マクログロブリン、α_1ーアンチトリプシンなど血清糖タンパク質の生合成中間体およびβーグルクロニダーゼなどのリソソーム酵素を主成分とすることが明らかとなった。
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