研究分担者 |
長谷川 斐子 国立予防衛生研究所, ウイルス中央検査部, 主任研究員 (10132896)
赤塚 俊隆 国立予防衛生研究所, 腸内ウイルス部, 主任研究員 (30159321)
東海林 寿子 国立予防衛生研究所, 血液製剤部, 研究員
東海林 久子 国立予防衛生研究所, 血液製剤部, 研究員
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研究概要 |
成人T細胞白血病ウイルスの研究が進むにつれて,HTLVーI抗体陽性のけい性脊髄症(HTLV-I associated myelopathy:HAM)が新たな疾患として提唱され, HTLVーIが分離された. HTLVーI感染により, 一方は白血病になり, 地方はHAMによる病因を解明するうえで, HTLVーI感染が与えるTリンパ球の変化を検討することは重要なことである. われわれはHTLVーI感染者の末梢血および髄液が比較的得易いHAM患者を対象として, 免疫学的に検討した. HAM患者7名の抗HTLVーI抗体はPA,IFAで測定した. 血清は7名とも陽性を示した. 髄液については4症例について検査した. PA法では4例とも陽性であったがIFAでは抗体価の高い2検体が陽性を示した. 髄液は血清に比べて抗体価が低かった. WB法ではIgGに対する特異抗体を調べると血清は全例において, P19,P24,P28,P53に特異的なバンドが見られた. 髄液では1症例のみに抗HTLVーIに特異的なP24のバンドが見られたがその他の特異的バンドは見られなかった. IgMに対する特異抗体は2症例の血清でP19,P24,P28,P53に反応し, 1例の血清ではP19,P24,P53のみに反応した. 髄液は全例反応しなかった. 7例の患者末梢血からリンパ球の培養を行い全例ともcell lineを樹立できたがウイルスが検出できたものは4例であった. 髄液細胞は3例について試みたが成功しなかった. 各々のcell lineについて, 表面抗原を数種類のモノクローナル抗体を用いて検索し,T cell lineであることを確認した. 同一患者のリンパ球とcell lineの表面抗原は一致しなかった.
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