研究分担者 |
大堀 哲 国立科学博物館, 教育普及部, 教育普及課長 (30169057)
谷村 好洋 国立科学博物館, 地学研究部, 文部技官 (80141985)
斎藤 靖二 国立科学博物館, 地学研究部, 地学第一研究室長 (00000133)
田中 次郎 国立科学博物館, 植物研究部, 文部技官 (30167499)
中池 敏之 国立科学博物館, 植物研究部, 主任研究官 (20000135)
友国 雅章 国立科学博物館, 動物研究部, 文部技官 (90110105)
吉行 瑞子 国立科学博物館, 動物研究部, 主任研究官 (80100824)
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研究概要 |
国立科学博物館の小学生向け展示「たんけん館ジュニア」は児童生徒に自然科学に関する興味関心を持たせることを主眼として企画されたものであり, 知識能力をさらに深め, 自主的な学習を促進するための働きかけが強く求められている. この研究では, たんけん館展示に基盤をおき, 教材およびカリキュラムの研究開発を行い, 科学博物館における新しい科学教育の方法論的研究を行った. 教材の種類は, 学校での理科教育の現状と, 児童生徒のたんけん館での興味関心を考慮して, 次の11テーマを設定した. 動物:(1)モグラとネズミ(2)小型コウモリ(3)昆虫. 植物:(1)雑木林(2)シダ植物(3)海藻. 岩石鉱物:(1)岩石鉱物. 化石:(1)化石のできかた(2)植物の化石(3)海の生物化石(4)小さな化石(微化石). これらのテーマそれぞれについて, 児童生徒が自主的に学習できるような配慮を込めてカリキュラムの製作を行った. これに基づき, 実物標本, 写真, 教具等を総合的に取りまとめ, 各テーマにつき1つずつセット教材を製作した. それぞれの標本は, その特性の許す範囲内で, 児童が自分の手で触れ, 取り扱うことができるよう, 標本ケースの開発や, ラミネート封入法の開発の研究も行い, 標本などを収納する小箱などにも児童の興味関心を喚起するよう細心の配慮を加えた. さらに, 解説シートや学習シートの開発も行った. これらは児童生徒が教材セットを取り扱って学習するための補助資料となるものであり, 学習した結果を記入して知識の整理をするために有効であった. このようにして開発した標本セットは, 実際的な学習に際し, 児童生徒は期待どおり強い興味関心を示し, 自己教育力を育むに十分な成果が得られた. 特に標本に直接触れ, 双眼実体顕微鏡などの観察器具を扱えることに関する興味関心が強く, この方面からも自主的な学習への意欲の喚起が重要である点を確認した.
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