研究課題/領域番号 |
61490029
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
浜村 みつ子 自治医科大学, 医学部, 講師 (90118456)
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研究分担者 |
尾中 達史 (尾仲 達史) 自治医科大学, 医学部, 助手 (90177254)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1987
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研究課題ステータス |
完了 (1987年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | バゾブレシン / 鎮痛 / 痛み / 視床下部 / ストレス / ホルモン / 逃避反射 / 下垂体 / バゾプレシン |
研究概要 |
1)実験1;仮説:生物検定法による報告ではフットショック(FS)はVP分泌を促進する. ところがラジオイムノアッセイ法での報告ではFSはVP分泌を促進するという. 我々の予備的データでは高頻度のFSは血漿VPを上昇させる. これらの報告間の矛盾の原因を明らかにするためFSのバラメーターを変えて解析した. 結果:連続的な高頻度(50Hz, 1分間)のFSは血漿VP濃度を刺激強度に依存して一過性に上昇させた. 低頻度のFSにはむしろVP分泌に対して抑圧効果があった. 従ってFSのVP分泌に対する効果はFSの頻度により異なると結論される. 2)実験2;仮説:FSを加えた後に鎮痛が起こる. 他方VPを皮下注すると鎮痛が起こると報告されている. 上述のように高頻度FSは血漿VPを高値にする. 従って血漿VPがFS後の鎮痛を発現させている可能性がある. 結果:無麻酔ラットの熱痛刺激に対する尾逃避反射の温度閾値を測定するシステムを熱電対を使い作製した. 高頻度FSは温度閾値を上昇させた. またFS血漿VPを約30pg/mlに上昇させた. 下垂体後葉を電気刺激すると血漿VPが約450pg/mlとFS後の値に比べ10倍以上に上昇したにもかかわらず閾値は有意に変化しなかった. VPを静注すると用量に依存性して一過性に閾値が上昇した. その最小有効用量は0.5μg/kgであった. この時の血漿VPレベルを計算すると20ng/mlでありこれはFS後のそれよりはるかに高い値である. VPのV1受容体拮抗薬を前投与しておくと外来性VPの閾値上昇作用は用量依存性に抑えられた. オキシトシン, VP_<4-9>のいずれも閾値を有意に変化させなかった. 従って血漿VPはFS後の鎮痛に関与していないと結論される. また脳血液関門を通過するこのV1受容体拮抗薬(5μg/kg)は高頻度FS後の閾値の上昇を阻止した. 従ってこの鎮痛に脳内VPが関与する可能性がある.
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