研究概要 |
ラットの作業記憶の様相とその中枢メカニズムを明らかにするために, 昨年度ひきつづいて扁桃核の損傷効果について検討した. さらに, 加齢にともなって作業記憶が減退するかどうかという点を検討するために, 老齢ラットの遅延見本合せ学習を若齢ラットのそれと比較した. それらの結果の概要は以下のとおりである. 1.大脳辺縁系の海馬を損傷すると作業記憶は著しく阻害されるが, 扁桃核の損傷によってはほとんど阻害されなかった. 2.老齢ラットの作業記憶は, 遅延見本合せ学習でみる限り若齢ラットに比べて著しく劣ることはなかった.
|