研究課題/領域番号 |
61510079
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山口 素光 岡山大学, 教養部, 教授 (50019080)
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研究分担者 |
YAMAGUCHI Soko Okayama University (70028330)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 山村社会 / 過疎化 / 挙家離村 / 離村者の生活 / 母村 / 移住 |
研究概要 |
1.本研究は昭和57年度科学研究費補助金による富山県利賀村を対象すとる研究調査の成果を基に、隣接する八尾町大長谷、平村、更に岡山県内山村に対象を拡大し、それらの地域の比較研究を通して、山村社会の変貌と挙家離村者の生活の実態を一層深く究明しようとするものであった。しかし、法改正等の事情もあり、町村役場での離村者に関する各種資料の収集が困難で岡山県内山村の調査は不十分なものとなって、主として、従来から収集した資料のある富山県の前記地域を中心に研究調査を行なうこととなった。 2.相隣接する大長谷、平、及び先に調査した利賀は我国の高度経済成長期以来、第一次産業の極度の衰退により、種々の過疎対策事業の推進にもかかわらず急激な人口流出、とりわけ、挙家心村が急増してきた。なかでも、八尾町に統合合併した大長谷の過疎化による荒廃は著しく、まさに衰減滅の危機にあり、町村合併や地域振興の在り方に大きな問題があると思われる。 3.これら地域の離村者のアンケート調査によると、長い冬と豪雪、安定的職業・収入が少ないこと、子供の将来、特に教育、生活上の不便等が挙家離村の主要な理由であり、また、転出先の選定は仕事・職場、子供の就学・通学の関係等の外に、親類縁者の存在、特にその紹介・世話によるものが多い。 4.挙家離村の転出先は県内が多いが、平村の場合は県外もかなり多い。全体的にみると、転出先での生活は生活環境への満足度も高く、地域社会へ適応同化し、離村前よりも暮しよくなったと回答したものが大半を占め、母村とも緊密な関係を持続しているものが多い。しかし、転出先や離村時期の新旧等によりかなり相違もあるし、特に高齢者を中心に母村とは異質な生活に適応できず、不満や不安をいだくものがあることも認められる。これら一連の調査結果については、今後、更に種々の観点から一層詳細な分折検討を行ない、総括したいと考えている。
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