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フランスにおける移民の子どもたち-その教育学的考慮-

研究課題

研究課題/領域番号 61510131
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 教育学
研究機関立命館大学

研究代表者

林 信弘  立命館大, 文学部, 助教授 (70121613)

研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1986年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード移民(イミグレ) / マグレブ人(北アフリカからのアラブ系移民) / 人種差別(ラシスム) / 第二世代 / 同化と共存 / 相互文化交流
研究概要

本研究を通じて、言語も宗教も生活習慣も異なった人々の共存がどれほど大変なことかを痛感した。理屈を並べたてるだけですむ人は気楽に話す。しかし毎日、同じ居住区で角突き合わせて生活することがどれほど大変なことかを人は知らない。現在、移民の子どもをめぐって(彼らを通称「第二世代」と呼ぶ)、フランス人と移民との間で大きなトラブルの種になっているものに三つある。居住問題,教育問題,移民の若者の雇用問題である。移民の子どもたちは騒ぎすぎる。部屋の中や廊下を走り回る。外では芝生のなかに入り、大声でハシャギ回ったり、郵便受けや廊下の電燈などの公共の施設をこわしたりする。活発さは移民の子どもであるなしにかかわらず、子どもの自然の習性であるが、フランス人はそうは受けとらない。"あの移民のガキども"、そう彼らは思う。移民の子どもたちはたえずフランス人の大人たちといざこざを起こし、白い眼で見られながら成長して行く。学校を卒業しても行くところがない。満足な資格も取れず、なかには中途退学の者も少なくないのだから、就職口が見つかるはずがない。なにもすることがない、いやなにもさせてもらえない彼らは若いエネルギーをもてあます。いきおいその捌け口を求めて悪事に走る。それがまたフランス人の反感を一層つのらせる。こうして不信,憎悪,恐怖,爆発の危機は日増しに高まって行く。だが一方では、心ある多くのフランス人は植民地時代以来の同化政策・人種差別政策の誤りを認め、相互文化交流による真の民主的共存を求めて種々の試みをくり広げているーー「優先教育地区」(ZEP)の整備充実,移民の子どもたちの母国の文化の共同学習,市民社会への参加の権利の保証,就職差別・人種差別撤廃運動等々。ここにこそ日本にはないフランス社会の強靭さがあり、多くの学ぶべき点がある。今後研究の焦点をこの方向にあてていきたいと思う。目下、基本文献翻訳作業中。

報告書

(1件)
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] フランソワーズ・ギャスパール;クロード・セルヴァン=シュレイヴァー 共著;林信弘 訳: "移民の終焉" 法律文化社, 300 (1988)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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