研究課題/領域番号 |
61510135
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 国立教育研究所 |
研究代表者 |
梶田 美春 国立教研, その他, 研究員 (30110092)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 国民統合 / 多文化国家 / 民族言語 / 教授用語 / 公用語 |
研究概要 |
1.研究方法の概要 この研究では対象国としてマレーシアとオーストラリアを取り上げた。マレーシアについては、第2次大戦後から現在までの主要言語政策の根拠となったバーンズ、フェン・ウー、ラザクおよびラーマン・タリブの各委員会報告書、さらにこれらの報告書の内容を具体化した教育法規集等を収集し分析した。オーストラリアについては、連邦教育省、移民・民族問題省等および各州政府刊行の移民・異文化に関する資料を収集し分析した。 2.得られた知見等の大要 マレーシアでは、馬・中・印の複数民族を背景として、独立後国民統合とナショナリズムの高揚の観点から、旧宗主国の言語である英語が公用語から排除されただけでなく、1970年以降教授用語からも年次進行で漸次排除され、1980年代半ばには初等教育から高等教育まで、すべて国語(マレーシア語)で行われている。本研究では、英語の地位の変遷を教授用語および各種の試験制度について跡づけた。オーストラリアでは、建国以来200年にわたる英国系オーストラリア人による英国遵奉主義にもとづく単一言語主義が、戦後の非英国系労働移民(民族系オーストラリア人)の増加によって修正を迫られ、現在連邦・各州政府はオーストラリアを多文化国家として自己認識するに至っている。教育内容面では、民族系オーストラリア人に対して「第二言語としての英語」、民族語教育、異文化教育がカリキュラムに導入された。 3.今後の研究への展望 マレーシアについては、国語の普及と比例するかのように青少年の英語力の低下が指摘される。ナショナリズムとの相剋を克服してどのような英語教育振興策がとられるか、オーストラリアについては、州別にみた民族集団に対する英語教育の帰すうに注目したい。
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