研究課題/領域番号 |
61510157
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
道重 哲男 島根大, 教育学部, 教授 (10032583)
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研究分担者 |
高山 倫明 島根大学, 法文学部, 講師 (90179565)
呉羽 長 島根大学, 教育学部, 助教授 (00125535)
田籠 博 島根大学, 法文学部, 助教授 (30032642)
松尾 壽 島根大学, 法文学部, 教授 (50032610)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1986年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 北前船 / 布施林業 / 流人 / 流人伝説 / 後鳥羽院 / 隠岐方言 |
研究概要 |
1 北前船交易の本格的展開のなかで、隠岐林業が、小船による薪供給から育生林業を成立せしめたことを、その典型としての布施村の杉の生産とその所有形態について調査し、今後の課題の展開への示唆を得た。 2 近世流人史研究については、島前海士町の村上家文書について、調査・整理を行った。今回調査で、これまで流人史研究に使われた史料は、同家文書の一部にしかすぎないことが判明した。とりわけ近世後期の流人料口書がかなり揃っており、近世後期の社会史・犯罪史研究に具体的事例を提供できる。また村の火災事故報告書には必ずその村に差置かれている流人の報告書が添えられており、流人の生活を具体的に明らかにできる。さらに流人の死亡調書も多く、赦免による帰郷ができた流人は全体のごく一部であったことが予想される。村上家文書は流人関係以外の史料も多数含みこれまでほぼ60%の調査とマイクロ化ができたが、同家の調査はなお次年度以降にのこされることになった。 隠岐には同家以外にも流人史料が散在しており、それらの調査を通じて流人のはたした文化的役割も明らかにしうるようである。そして隠岐流人史の解明は、従来の研究史に大きな貢献をなしうる見込みである。 3 隠岐方言の研究は、まず方言形成に関して、本土方言との親縁関係を考拳するために、語法関係の150項目について島後五箇村・西郷町において調査した。またアクセントについて、その特徴である台頭後越アクセントについて、韻律論的単位との相関性を考えて、島前知夫村において調査した。 4 流人伝説については、後鳥羽院の現地における口承伝説を調査し、隠岐の地域性と都側の文化波及の関係を特徴づける院の詠歌伝説の成立と構造のあり方を究明した。
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