研究概要 |
1資料・文献の収集教育公務員に対する勤務評定政策が最初に実施された愛媛県について、愛媛民主教育研究所『愛媛の民主教育-戦後30年の歩み-』(1976年)、愛媛県教員組合『みんなで闘った64日』(1958年)から根拠の確かな諸事実を抜き出し、さらに愛媛県教員組合所蔵文書、同民主教育研究所所蔵文書を閲覧し、その中の必要なものをコピーした。同県喜多郡教員組合には大量の関係文書が保存されているので、これらのうち、重要なものを筆写した。謝金の大部分はこの筆写に充てられた。その枚数は原稿用紙にして3,000枚を越えている。この他、県下各地の市史・町史を入手したが、とくに『一本松町史』には、村教育委員会側の勤務評定闘争観が反映された資料が転載されていて利用価値が大きい。高知県教員組合,和歌山県教員組合の所蔵資料・文献についても現地で調査をおこなったが、愛媛県の場合ほど文書がよく整理された形で保存されていないので、短期間の調査では資料についての覚え書き程度しか作成できなかった。本格的な調査については他日を期したい。勤務評定政策に関する政府・自民党の見解および日教組の見解・闘争指令についての文献・資料は日本教育会館内の教育図書館および文部省図書館を利用して収集に当り、1,000枚以上のコピーを入手した。なお、勤務評定政策が出される遠因として、占領軍主導の戦後改革が地域・教育の面でもたらした結果を検討する必要があるので、五百旗頭真編『The Occupation ofJapan 1942-52』(マイクロ・フィッシュ)を購入した。 2聞取り、主に愛媛県の関係者から聞取りを行った。勤評闘争当時同県周桑郡教組の指導部の地位にあった小中学校々長石丸教義氏,櫛田顕次氏からの聞取りは、記憶が明瞭で、地域の人々とのつながりの具体相を知る上で有益であった。地域組織「満月会」について、山田ミヨ子さん鎌田久子さんらから会の具体的内容について教えられた。
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