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奈良朝政治の再検討

研究課題

研究課題/領域番号 61510167
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 日本史
研究機関立正大学

研究代表者

高島 正人  立正大, 文学部, 教授 (00062745)

研究分担者 小山田 和夫  立正大学, 文学部, 専任講師 (90147934)
研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1986年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード律令政治 / 皇親勢力 / 氏族 / 政僧 / 令外官
研究概要

奈良時代の政治については、従来さまざまな角度からの研究の蓄積がなされているが、本研究においては政治担当者と政治機構の両者を中心に従来の研究の見直しを行ない、それぞれの政権担当者の政策究明に努力した。
その結果、本年は3ケ年計画の初年度にあたり、まだ研究が終了したわけではないが、従来の研究とは全く異なる新知見が少なくない。すなわち第1に、従来の研究では藤原氏が政治権力を握ったのは平安初期の良房・基経以降のことと考えられ、奈良時代は親王や長屋王らの皇親勢力と藤原氏を含む新旧大豪族の対立抗争の時代と説かれてきたが、本研究の結果、新興の藤原氏が皇親や石川(蘇我)・石上(物部)・紀・大伴らの旧豪族を抑えて権力を確立したのは不比等の時であり、奈良時代初頭に遡ることを明らかにした。奈良時代の政治を省みれば、7世紀初頭に、一旦藤原不比等によって権力が確立されると、他の新旧豪族ことには石川・石上・大伴ら大化前代以来の大豪族も奈良時代を通じて誰一人大臣に登用されることはなかった。皇親もまた不比等の娘婿としての長屋王と葛城王(橘諸兄)以外に大臣に任用された者は存在しない。かくて天平9年不比等の長子武智麻呂兄弟が死去した後は、奈良時代の中・後期を通して藤原氏内部の権力抗争に移行したのである。
第2に議政官の一角たる中納言や参議、あるいは知太政官事などのような官職の性格や設置理由ないし意義などについても従来の諸説とは全く異なる見解に達した。例えば、従来太政官の一員に数えられた知太政官事はその実内廷における天皇の補佐役で臣下の任ぜられる内臣に相当し、参議や中納言は藤原不比等の排他氏政策の一環として設置されたもので奈良時代を通じて藤原氏の権力維持に活用された。
以上のほか各政権担当者の政策や長屋王事件の発生理由など新知見が少なくないが、これらは逐次発表したい。

報告書

(1件)
  • 1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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