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山岳信仰遺跡出土遺物の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61510202
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 考古学
研究機関奈良国立博物館

研究代表者

井口 喜晴  奈良国博, その他, 研究員 (80090372)

研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード山岳信仰 / 和鏡 / 唐式鏡
研究概要

山岳信仰遺跡の実態の調査と出土遺物および伝世品の資料蒐集につとめた。奈良国立博物館では、昭和60年度に「山岳信仰の遺宝」展を行なったので、今回は当時展示できなかった遺品の蒐集にもつとめ、とくに鏡に焦点をあて、鏡像、懸仏の類も適宜蒐集した。
探訪した遺跡と社寺は、山形・出羽三山神社、栃木・二荒山神社、輪王寺、神奈川・大山阿夫利神社、八菅神社、長野・戸隠神社、富山・雄山神社、三重・八代神社、福岡・四王寺山、宮崎・神門神社などである。遺跡では以上の調査地のうち、とくに羽黒山頂の御手洗池、三重・神島の八代神社、宮崎・神門神社の実態を確認し、その出土鏡(伝世鏡)を調査できたのは大きな収穫であった。遺物では、吉野金峯山、熊野三山の出土品は、東博蔵品と寄託品を中心に調査し、奈良博蔵の金峯山出土品との比較調査を行った。また奈良博蔵品については、かねてから鉛同位体比測定を東京国立文化財研究所に依頼し、その原料産地の推定を試みたが、多くの唐式鏡および和鏡は日本の原料を使用しているが、一部の唐式鏡に中国華南産の原料が使用され、湖州鏡は広東省凡口鉱山の鉱石が最も原料に近いことが判明し、鏡の文様の比較から得られた日本鏡と中国鏡との分類とほぼ一致した。また鏡の文様の比較研究では、宮崎・神門神社と三重・八代神社との唐式鏡の同笵関係に重点を置き、近年各地で出土した唐式鏡との比較も行った。
鏡、鏡像、懸仏の系統的研究では、できるだけ断面図の作製につとめ、周縁部を編年的に整理した結果、平安時代の鏡の周縁が、平安末期から鎌倉初期にかけて徐々に形式化し、鎌倉時代の懸仏の覆輪に移行する過程がある程度明らかになった。今回は山岳信仰遺跡出土の鑑鏡類を中心としたが、考古学的方法により、ある程度の編年的研究が可能となり、その系統的整理の一端が開かれたと思われる。

報告書

(1件)
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 井口喜晴: 古文化財之科学. 32. 10 (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 井口喜晴: "山岳信仰の遺宝" 奈良国立博物館, (1988)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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