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西日本における瓦質土器の集成的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61510204
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 考古学
研究機関奈良国立文化財研究所

研究代表者

菅原 正明  奈良文化財研, その他, その他 (60000486)

研究分担者 肥塚 隆保  奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 研究員 (10099955)
安田 龍太郎  奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 主任研究官 (10099963)
研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード瓦器 / 還元焔焼成 / 燻化 / 上物写し / 器種分業生産 / 座 / 中世窯業 / 商品
研究概要

1.従来「瓦質土器」と呼称されてきた土器の製作技法・焼成技法を科学的に分析ー素地の焼きしまり具合・器面の炭素の吸着具合を電子顕微鏡写真撮影、素地の吸水率・比重・強度の測定、粘土板の焼成実験、素地の螢光X線分析ーを行なったところ、瓦質土器には「瓦質の須恵器」と「瓦器」とがあるこが判明した。前者は須恵器の焼成不良品であるが、後者については前者と異なり、その形態は上物写しであり、焼成にあたっては薪を節約し、高温(900-1000℃)短時間焼成し、その最終段階に還元焔焼成・燻化し、器面を金属器や須恵器のような色調にした新しい装の安価な容器として出現したものであることを明らかにした。最初に出現したのは瓦器椀であり、以後他の日常容器におよんでゆき、中世窯業の主要な地位を占めた。
2.この瓦器生産の特色は器種分業生産されたことである。この点について大和国の火鉢をとりあげ、火鉢に押捺されたスタンプの検討から、奈良火鉢が商品として生産されたことを示した。合せて、京都向けに火鉢を生産した興福寺の火鉢座の存在を裏付けた。
3.13世紀に西日本の各地で瓦器甕・擂鉢の生産が開始された。特に和泉・河内国では東播系の須恵器甕や捏鉢を写した瓦器甕・擂鉢の生産を開始しており、これらの安価な製品の拡大および高価な備前焼の進出の前に、伝統的な生産を行なっていた東播系の須恵器は商品としてたちうちできなくなり、衰退していったことを示した。
4.瓦器は陶磁器・金属器・漆器等の上物の合間をぬって生産を拡大していったが、その質が当初から悪く、以後改良を加えなかったため、同用途・同価値を持つ上質の容器の普及により、瓦器生産は早急に崩壊していった。
※今後、瓦器を実際に製作してみて、その特質を科学的ディターで示したい。

報告書

(1件)
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 菅原正明: 考古学雑誌. 74. (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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