研究概要 |
『狐物語』のΓ本、Noboru HARANO,Naoyuki FUKUMOTO&Satoru SUZUKI,Le Roman de Renart,【e!´】dite´ 【d!'】apr【e!´】s les manuscrits C et M,tome 【I】,1983,tome 【II】,1985,Tokyo(France Tosho)を基礎資料として、このテクスト全体の語彙総覧(Concordance)を作成する目的のために、本年度は試論として冒頭10,000行を、冨士通のOASYS100Hにインプットした。 その後Sort mode(単語並べ換え)により、当該個所のA〜Dの各文字で始まる全使単語を、アルファベット順に並べ換えたリストを作成した。次にSearch mode(単語検索)により、各単語の使用されている行全てのリスト・アップを全単語について行なう予定であったが、単語の数がひじょうに多いので、本年度はRenart,goupilなど重要単語のみについて行うことにし、実施した。 (問題点と今後の課題) (1)動詞の法・時制・人称により活用語尾が多様であり、同一単語にもかかわらず別々の異なる単語としてコンピューターに認知される。ー→語幹のみによる検索が不可能か、プログラムの変更を孝慮する必要がある。 (2)古フランス語のテクストなので、正書法が確立されていないので、同一単語に対して多種類の綴字があるので、これをどう処理するか、今後の課題である。 (3)本研究進行中に、千葉大学の加藤尚武教授、同土屋教授を中心として、人文科学におけるコンピューターの有効利用を目ざす「テクスト・データ・ベース研究会」からの照会があり、当研究代表者もそれに加わったので、今後は、同研究会を中心とする全国の研究者と情報交換を行ない、より効果的な研究を推進する必要がある。
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