研究概要 |
本研究ではハンガリーの数理経済学の流れを1968年の第1次経済改革以後の数次の長期経済計画モデルとの関連において、主としてハンガリーの数理経済学の専門雑誌SZIGMA誌上に発表されたKornai,Martos,Simonouits,Br【o!´】dy等の論文を中心に集権化か分権化かに関する長年のイデオロギー論争に立ち入ることなくtechnical(二数学的)側面から跡づけようと試みた。ハンガリーの計画の理論モデルは5つのタイプに大別されるが、数理経済学的な中心問題はそれらのモデルの安定性である。私はこの安定性の問題をより一般的な微分方程式体系の安定性の問題の枠組の中において統一的に分析しようと試みた。またその際得られた結果を多数財を同時に生産する企業が存在する寡占の均衡の安定性の分析に適用することを試みた。その結果安定性の分析は行列のクロネッカー積の固存値を考慮するよりも容易に行われ得ることが明らかになった。
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