• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

転職と昇進-わが国労働市場の流動性に関する研究-

研究課題

研究課題/領域番号 61530023
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 経済事情・政策学
研究機関一橋大学

研究代表者

小野 旭  一橋大学, 経済学部, 教授 (60054318)

研究期間 (年度) 1986 – 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1987年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード労働市場の流動性 / 企業内賃金構造 / 規模間賃金格差 / はえぬき登用の慣行 / 終身雇用制 / 長期勤続 / 信頼関係の形成 / 労働流動性 / 転職 / 昇進 / 二重構造 / 自己選別仮説
研究概要

この研究は, わが国の労働市場の流動性を, 企業内賃金楮と企業内昇進の二面から, 経験的に分析することを目的として計画されたものである. 得られた主要な結果は次の通りである.
1.まず賃金構造に関する分析によれば, わが国の企業内賃金構造は熟練仮説よりもむしろ生活費保障仮説によって, よりよく説明することができる. すなわち, 賃金は年令要因や勤続要因等から影響を受けるが, このうち勤続要因の効果は非常に小さい. したがって労働力定着化の機能を企業内賃金構造の中に求めるのは困難である. 大企業が小企業より労働力の急増化に成功しているのは, 企業内賃金構造よりも, 賃金水準の相対的優位性によるというべきである.
2.労働力の定着化を促すもう1つの要因は, 子飼いの労働者をより高いポジションに昇進させる慣行である. わが国では, 学校卒業後, 他企業を経験することなしに当該企業に継続就業した「はえぬき」を, 管理職に取り立てる傾向が著しい. これは特に役員以外の管理職について顕著であった. 直属の上司が「はえぬき」で占められていることは, 自分からの距離が遠い役員の「はえぬき」登用率以上に, 非管理的地位にある人々の定着化を促進すると思われる.
3.以上の結果として, わが国の労働市場は流動性を低下させる傾向をもつことになる. 労働移動によって諸用途に労働力が配分されるという観点からみると, 低い流動性は最適資源配分を損うことになる. しかし「はえぬき」登用の慣行は市場から調達できない財(すなわち従業員相互の信頼関係)の獲得を容易ならしめ, この点では市場が果たし得ない役割を演じていると思われる.

報告書

(2件)
  • 1987 研究成果報告書概要
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 小野旭: 一橋大学研究年報『経済学研究』. 28. 3-48 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Akira ONO: ""Two Competing Hypotheses for the Nenko Wage System--Kill or Living Cost Compensation?--"" Hitotsubashi Journal of Economics. 28. 1-25 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 小野旭: 経済学研究(一橋大学研究年報). 28. 3-48 (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

URL: 

公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi