研究概要 |
(1) いわゆる「郵貯の巨大化」を達成しようとする郵貯の行動が金融制作の有効性にどのような影響を及ぼすのかを検討した. (2) 公的金融による実物面への影響を研究した. 資産効果にとくに焦点をあて, それを含むTS-LMタイプのマクロ経済モデルをベースにした理論分析を行った. 公的金融の仕方による経済的インパクト(対国民所得水準, 対国際収支等)に関して, 資産効果を含む開放モデルをベースにした固定相場制システムのそれぞれのケースのもとで, 短期の比較静学および動学分析を行った. (3) 郵政省簡易保険局資金運用課, 貯金局資金運用課および大蔵省理財局資金第1課に, 公的金融機関の資金運用状況についてのインタビュー調査を行った. とくに, 簡易保険局と金融自由化対策資金の(1)資金運用の現状(2)資金運用対象のちがいについて検討した. (4) 日本の金融構造分析の視点から公的金融機関の位置づけを実証的に検討した. (5) 公的金融は, いくつかの問題点を内包しつつも, 民間経済の金融基盤の補実として大きな意義をもっていることがわかった.
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