研究概要 |
微分多様体上の解析に関しては、数学の種々の分野で密接に関連し、互いに刺激、影響し合って活発な研究がなされている。我々研究グループも同様、各人得意とする手法を用いて意欲的に研究を進めてきた。その結果次に述べるような成果をあげましたので報告いたします。尾方はn次元球面内の極小部分多様体の分類を主目的に研究を進めてきたが特に極小曲面の場合に、ガウス曲率のピンチングに関するU.Simonの予想を部分的に肯定的に解決した。同様の手法を用いて複素射影空間内の極小曲面の分類を目指して研究継続中である。次に居駒は擬等角写像による歪曲性と、考察する次元Nとの関係のなかで、α(O<α【<!_】N)次元測度零の集合の、あるいはその擬等角写像による像集合がα次元測度零をもつための諸条件を調べその結果を論文としてまとめあげた。水原はブロックで生成される関数空間についてTaiblson-Weiss('82)に始まる諸結果を最近の結果 Long Ruibin('84),Lu,S.-Z.,M.H.Taifloson-G.Weiss('85),F.Sonia('85)までの成果を整理することにより未解決の問題を浮きぼりにしそのうちのいくつかは部分的結果を得ており、それらの解決に向って研究を継続中である。又森は【4^n】から【P^n】(ψ)への正則写像のネバンリナ接近関数の研究を進めることによりこれが発散する集合は、双対射影空間【P^(im*)】(ψ)で射影対数容量0であり、バリロン除外値が正となる集合(このとき接近関数は発散)は【P^(im*)】(ψ)でf-極集合であるという結果を得た。又前半の問題の逆に対する一つの例をもみつけている。さらに別にネバンリナ理論を用いグリフィスの問題(Isageneral smooth suiface of degree【>!_】5 in 【P^3】(ψ)hyperbolic,Proc.Sysup.in Pure Math.vol27('75).P.62)について肯定的結果を与えることに成功した。高橋は素数に関するWilsonの定理の拡張を目指しており、一部解決をみているがさらなる発展のため研究継続中である。
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