研究概要 |
昭和61年度は, 主として振動積分∫e^<2σ4(x)>p(x)dxがσ→∞のときどのような挙動をするか調べた. ▽ψ(x)=0となる点でdet(∂_<xi>∂_<xj>ψ(x))(Hessian)のときは既にいろいろ知られているが, det(∂_<xi>∂_<xj>ψ(x))=0のときどのようなことになるかを詳しく解析した. さらに, この年度の後半より得られた結果を使って, 2つの凸な物体による散乱に関する散乱行列の極がどのように分布するかを調べ, 新しい結果を得た. これらについては「研究成果報告書」第3節にまとめてある. これはTsukuba J.Math 11(1987)93-100の別刷でもある. 次に昭和62年度は, 2つの球による散乱においてその散乱核の特異点がどこに現われるかを調べた. 散乱物体が凸でないとき無限遠点の近くにおけるこの特異点の分布については, このような2つの球の場合ですら全く調べられていなかった. 中村真一氏(非分担者)の協力を得て, その特異点が2つの球の距離に応じて特徴的に現われることを明らかにした. これについては「研究報告書」第2節にまとめてある. これは, 日本数学会紀要に発表予定の論文でもある. また, 「研究報告書」第1節において本研究で得られた成果(結果)について詳しく解説してある.
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