研究分担者 |
渚 勝 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (50189172)
早川 款達郎 (早川 〓達郎) 大阪大学, 基礎工学部, 講師 (10028201)
城旗 慎吾 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (10037294)
栗栖 忠 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00029159)
坂口 実 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (70029388)
片山 良一 滋賀県立短期大学, 助教授 (10093395)
丘本 正 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (80029389)
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研究概要 |
ヒルベルト空間上の有界線形作用素のつくる作用素環の理論は, 数学, 数理物理学の諸方向と関連して, 近時, ますますその重要生を高めつつある. 特に, 近年は非可換微分幾何として, 幾何学方面への応用が注目されている. 本研究における主要な点は, 以下の通りである. (1)II1型von Neumann因子の部分因子に対するJonesの指数, ならびにPimsner-Popaの相対エントロピーの研究, これらは, 相互的に深い関係をもっており, それはまた, von Neumann因子の構送とも密接な関係にある. それらの諸関係をしらべ, とくに, von Neumann因子に対して外部自己同型の群として作用する有限群があるとき, それによってできる接合類ともとの因子との間の相対エントロピーについて, 詳しく調べた. (2)C^*環の完全正写像の研究, C^*環の間では, 準同型写像をある観点で一般化した完全正写像が, 重要生をもっている. C^*環の間の有界線形写像の全体がつくるバナッハ空間の間にもその概念は拡張できるが, 単に正写像ということからは, 完全正写像であることが導かれるものかどうかに興味がある. このことの成立には, 環がアーベル的であることが関係していることが示された. (3)C^*力学系の研究. C^*力学系も応用と関連していろいろな観点からとりあげた. 不変部分環について調べること. 既約表現全体のつくる空間, すなわちスペクトルについて調べること. C^*の状態を, 力学系からつくられる接合積上に拡張すること, などである. (4)C^*環の有界表現の*表現との同値性に関する問題, このことには, この環の上に微分, 完全有界写像のノルムが互いに関係してくるが, 有限次元の場合のこのノルムを精密に定め, それの一般的な場合における応用を考察した.
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