研究課題/領域番号 |
61540121
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
河野 実彦 熊本大, 理学部, 教授 (30027370)
|
研究分担者 |
前橋 敏之 熊本大学, 理学部, 教授 (90032804)
高田 佳和 熊本大学, 理学部, 講師 (70114098)
櫃田 倍之 熊本大学, 理学部, 教授 (50024237)
吉田 清 熊本大学, 理学部, 助教授 (80033893)
佐々木 武 熊本大学, 理学部, 助教授 (00022682)
|
研究期間 (年度) |
1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 微分方程式の大域的研究 / 接続問題 / ストークス現象 / モノドロミー群 / 超幾何微分方程式系 / パフィアン偏微分方程式系 |
研究概要 |
本研究課題の目的の一つである線型微分方程式の大域的解析は、特異点近傍における局所解間の接続問題を解明することにある。代表者は、確定特異点のみを持つフックス型微分方程式の一般型である超幾何微分方程式系に対する接続問題を考察し、解明のための一般的理論を確立した。その解析方法は、有限確定特異点近傍の局所解の巾級数表現の係数はある差分方程式の解として与えられることに着目し、まず差分方程式の解の大域的性質(ストークス現象)を解析し、その後バーンズ積分理論、留数計算を通して、その局所解と無限遠点近傍における基本解との接続係数を決定するというものである。この理論は、アッペル、ホルン等の多変数超幾何関数を定義する完全積分可能偏微分方程式系(パフィアン系)の大域的解析にも適用される。パフィアン系への研究の初期段階として、代表者は各セクション上での微分方程式を得るアルゴリズムを解析すると共に、計算機によるエキスパートシステムの開発に努めた。また代表者は、パフィアン系の大域理論確立を目指し、共同研究者の育成を計るため広島大学博士課程横山利章を指導し関連する論文二篇の成果を挙げさせると共に、山梨大学修士課程鈴木哲也とのエキスパートシステムのための共同研究で多大の成果を挙げたことも附記しておく。一方、分担者佐々木助教授は、幾何学の立場から特に変換群を通してパフィアン系の研究をし大いなる成果を挙げ、他の分担者も各々の立場において大域的解析の実績を挙げている。本研究課題は、当初の目標を十分に達成したとは言えないまでも、今後の研究発展のための基礎を着実に築いたものと思う。
|