研究概要 |
1.2次元Brown運動の両側非巻きつき点について。平面上に頂点を共有する錐形の組を定める。与えられた連続な平面曲線について次のことを考える。錐形組を、その頂点を平面曲線上にとって平行移動させる。もし曲線上の点で、その前後が局所的に平行移動した錐形組中にあるものが取れたとき、その点を(錐形組に対する)曲線の錐形点と呼ぶ。筆者は2次元Brown運動に対して錐形点を与える時刻の集合のHausdo〜ff次元をS.N.Evansと独立に計算した(裏面研究発表参照)。筆者はさらにそのHausdo〜ff次元が0の場合、特に2つの錐形が共に半平面の場合に、その錐形点の集合が空か否かの検討を進めた。そこで平面の境界が直交場合に空であることはわかったが、全面的な解決は今後に残された。 本課題に関連して「2次元対称安定過程の錐形領域内の回遊」について調べていきたい。そこでは同過程の錐形領域からの脱出時刻についてのモーメントの評価の問題解決がポイントになろう。 本課題に関連する、筆者が以前に得た「錐形領域内の滞在で条件付けられたランダムウォーク」の極限定理の改良に取り組んだ。この条件付極限定理について"invariance principle"の成立について見通しを与えること、及び3次元以上のランダムウォークの場合にも適用可能となるよう証明内容を強化することは今後に残された。 2.本課題に関連するEvans,Kahane,LeGall,PerkinsらのBrown運動の局所挙動についての一連の研究の検討を進めた。そこから課題の実解析及び調和解析との関係,最近の確率解析の利用など、筆者が学ぶべき多くの点について示唆を受けた。
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