研究概要 |
1.大ファミリーの解析について Σ【E_γ】=100〜数1000TeVの大ファミリー現象の解析をデジタイザーとマイクロフォトメータをFDレベルでつなぎ、能率的に解析を進める方法を確立した。デジタイザー上で、X線フィルム中のシャワーの黒化点の(x,y)座標を測定し、シャワーをEC中の各層に遂次対応させ、ファミリー中の空間構成を行った。次にこのデータをミクロフォトメータに入力して、フォトメータに固定したX線フィルム中のファミリー中の適当な数個(2〜3)のシャワーと一対一対応を行い、任意のシャワーの(D,x',y')をミクロフォトメータの自動測定によって得ることを可能にした。そのためのソフトプログラムの開発を行った。この方法により、解析能率は約10倍早くなり、データの客観的取扱いが容易となった。 2.Σ【E_γ】スペクトルと相互作用・組成について (1).チベット高原カンパラ山で観測したΣ【E_γ】【>!_】100TeVファミリー120例の解析によって得られたデータとシミュレーションの比較を行った。 (2).【10^(16)】eV領域の相互作用はFeynmanスケーリング則とQCD-jetの標準理論によって矛盾なく説明できる。 (3).中心領域におけるjetの効果を別にして、破砕領域の〈Pt〉は【10^(16)】eVまでほぼ一定である。 (4).Σ【E_γ】【>!_】100TeVの120例の中には"センタウロ様"の現象はない。 (5).【10^(15)】eV以上でΡ成分〜15%,Fe様核〜40%となり、Ρ成分スペクトルは*【10^(14)】eVで折れ曲っているものと推定される。 以上の解析方法により統計を上げて、より定量的な結果を得ることが、今後の課題である。
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