研究課題/領域番号 |
61540294
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
気象・海洋・陸水学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鳥羽 良明 東北大学, 理学部, 教授 (50025277)
|
研究分担者 |
江淵 直人 東北大学, 理学部, 助手 (10203655)
飯田 記子 学術情報センター, 助教授 (70027598)
川村 宏 東北大学, 理学部, 助教授 (40169769)
|
研究期間 (年度) |
1986 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1986年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 波浪モデル / 海面境界過程 / 風波 / 海面フラックス / 大気海洋相互作用 / 摩擦係数 / 海水滴 / 局所平衡 / 海洋波浪 / 風の海面応力 / 粗度定数 / 風洞水槽実験 / 海水滴の生成 / 浅海効果 / 風波の相似則 / 風波のスペクトル / 3 / 2乗則 / 波浪予測 / 東北波浪モデル / 風波の砕波調節 |
研究概要 |
非定常非一様場の海面境界過程のモデル化は、大規模な大気海洋相互作用の解明のために不可欠な基礎的に重要な課題である。この課題のために解決すべき要素として、(1)海面における大気海洋間の諸量のフラックス、特にそのうち最も基間的な運動量フラックスに関して、風速プロフィルの粗度定数Ζ_oが、代表風速と、風と局所平衡にある風波スペクトルのピーク角周波数σ_pで代表される風波の発達状態との関数としていかに表現されるかの問題、(2)海面蒸発・熱交換の定量化に、高風速高波下で海面から生成される海面滴の効果を適正に評価する問題。(3)波浪予報モデルを拡張し、上記(1)と(2)を組み込んで大気海洋間の諸量のフラックスの広域の分布とその変化を適正に表現できるようにする問題がある。本研究は、上記の3要素に真正面から取り組んだものであった。上記の(1)については、1972年以来研究代表者が見い出し取り組んできた風と風波との局所平衡の知見をさらに深化させ、風波の3/2乗則を陽に利用する新しい発想をもとに、バス海峡の産油基地や太平洋の気象庁海洋気象ブイロボットの風と波の多量のデータと風洞水槽実験データとを解析し、Ζ_o=σμ_*/σ_p(U_*:風の摩擦速度、σ=0.025)の関係が妥当であるという証拠を積み上げることができた。(2)については、(1)と直結して、海面における海水滴の生成率と境界層内の存在量を表す新しい定量的表現を得ることができた。 ただ、(2)について海水滴の海面蒸発や熱交換に及ぼす効果の定式化が今後に残された。また(3)について、東北波浪モデルを整備して、上記のΖ_oや海水滴の効果などの定量的な違いによる大気海洋相交作用の変化を吟味できるようにすることを目差したが、この部分が完結に至らなかった。しかし、この最終目標に向かって極めて重要と思われる、予想外に多くの研究成果を生み出すことができたと考えている。
|