研究概要 |
本研究内容は2つに大別される. 1.ホットプラズマ中のレイトレイシング 静電波および電磁波の2つのモードを扱えるホットプラズマ中でのレイトレイシングコードを開発した. 静電サイクロトロン波の赤道付近での伝搬に応用され, 科学衛星でこの波動が受信される範囲を説明した. さらにこの静電波がZモードとなりRadio Windowと呼ばれるOモードの電磁波に変換される過程の伝搬路を示し, 非熱的連続放射(Nonthermal Continuum Radiation)の発生メカニズムの検討にとって貴重な結果となった. 本件については, 2つの論文にまとめられ, 海外からも注目を集めており, すでに何度か引用されている. 2.衛生で観測された波動現象の解析 本件は, 米国の研究者との研究成果を2つの論文にまとめている. その一つは, 米国の科学衛星DE1のプラズマ波動の観測結果の解析から, Zモードの受信される領域を調べ, レイトレイシングの結果と比較することにより, 今まで言われているものとは異なった機構でZモード波が発生している可能性を示した. もう一つは, 同じくDE1衛星で観測されたオーロラ域での波動現象に関して, 特定の日の観測結果が詳細に解析されている. 各種の電磁波モードのプラズマ波動に関して, 強度スペクトルのみならず, 偏波やスピンを利用した到来方向の解析を行い, レイトレイシングによりこれらの解析結果を裏付けている.
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