研究課題/領域番号 |
61540314
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
梶本 興亜 東大, 教養部, 助教授 (30029483)
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研究分担者 |
本間 健二 東京大学, 教養学部, 助手 (30150288)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ファンデルワールス分子 / 溶媒和分子 / 超音速自由噴流 / 分子内電荷移動 / 発光スペクトル / レーザ誘起けい光 / 溶媒効果 |
研究概要 |
本研究の目標は、溶媒和数を規定した分子の反応を研究するための手段を開発し、主として分子内電荷移動反応に及ぼす溶媒和数の効果を評価することにあった。この目標のために以下の2つの方向で研究を進めた。 (1)高温用パルスノズルの製作…本研究で分子内電荷移動反応の研究対象として用いる9.9´-ビアントラセン(以下BAと略記)は250℃での蒸気圧が約10mTorrと低いので高温ノズルを必要とする。これまでの研究では連続流型のノズルを用いてきたために貯気槽圧を上げられず、溶媒和した分子の冷却が不充分となり、付着数の定まった分子を分光学的に選別することが難しかった。今回、市販のパルスノズルに改良を加え300℃まで使用可能なパルスノズルを作製した。その結果、BA-アセトン ファンデルワールス分子をほゞ付着数毎に分離することに成功した。 (2)TOF質量分析計の製作…分解能40nsのトランジェントメモリーと平均加算装置を製作し、高圧電源、排気装置、ドリフト管よりなるTOF質量分析管と組合せた。分解能はほゞ5質量単位である。性能評価のため、すでにクラスター分析を測定している塩化ベンゼン多量体を解析して問題点を洗いあげた。しかし、、BA-アセトン錯体におけるアセトン付着数の分布については、感度の点に未だ問題があり現在改良中である。質量分析のための予備実験としてBA-アセトン錯体の二波長二光子イオン化を試みて成功している。 高温ノズルの使用によって、付着分子数毎に分離して溶媒和分子を励起できるようになり、新しい事実が判明した。特に、溶媒和されたBAでも電荷移動状態を与えないものが存在し、これは付着分子の付着位置の違いに由来する可能性が最も高いとの結論を得た。この事実は、今後の溶媒和分子の研究への重要な示唆を含んでいる。
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