• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

移動管法による低エネルギーイオン分子化学発光反応の研究

研究課題

研究課題/領域番号 61540353
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 構造化学
研究機関九州大学

研究代表者

辻 正治  九大, 生産科学研究所, 助教授 (30038608)

研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードイオン分子反応 / 移動管 / 発光スペクトル / 化学発光
研究概要

室温から数eVの低エネルギー領域でのイオン分子反応の研究に新手法を開発する目的で、移動管-発光スペクトル観測装置を試作した。まずイオン加速用ガードリング電極及び発光観測用石英窓を備えた移動管反応セルを製作し、試作装置の性能テストを【He^+】と【N_2】の反応で生成する【N^+_2】(B-X)発光を用いて行った。移動管中での【He^+】の平均移動速度を【He^+】の流束をパルス発生器でパルス化し、反応領域までの到逹時間スペクトルを【N^+_2】(B-X)発光で測定し、データをマイクロコンピューターで積算,解析することにより決定した。その結果、【He^+】が設計通りのエネルギーに加速されていることを確認した。次に【He^+】と【N_2】の反応で生成する【N^+_2】(C-X)発光の振動分布を0.039〜0.080eVの並進エネルギー範囲で測定した。【N^+_2】(C-X)発光の解析から低エネルギーではエネルギー的に共鳴なV'=3のみが生成するのに対して、エネルギーの増大とともにV'=2からの発光が出現し、そのV=3に対する相対強度が増大することを見出した。これより、【He^+】/【N_2】系では並進エネルギーの増加とともにイオン化のFranck-Condon因子が重要になることが明らかになった。0.080eV以上の並進エネルギーでの測定は、120V以上の高ドリフト電場では、不純物によるスパーク放電の発生のために困難であった。この問題を解決するために本補助金で購入した拡散ポンプを装備し、低圧で作動する移動管セルを上記反応セルを改造し、製作した。この装置を【He^+】/【N_2】,【He^+_2】/【N_2】,【He^+_2】/CO,【He^+】/Si【H_4】反応の研究に適用した。例えば【He^+】/【N_2】反応では新しい【N^+_2】(D'-A)発光を観測したり、【He^+_2】/【N_2】反応では【N^+_2】(B)態の四転温度が並進エネルギーの増大とともに1000Kから600Kに減少することを見出すなど、多くの新しい現象を発見し、試作した移動管装置が低エネルギーイオン分子反応の新手法として有用であることがわかった。なお本研究の遂行には補助金で購入した拡散ポンプ,マイクロコンピューター,パルス発生器が不可欠であった。

報告書

(1件)
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 関谷博: 九州大学生産科学研究所報告.

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 山口澄夫: Journal of Chemical Physics.

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 辻正治: Chemical Physics Letters.

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 関谷博: Journal of ChemicaL Physics.

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 辻正治: "Techniques of Chemistry: Techniques for the Study of Gas-Phase Ion-Molecule Reactions" John Wiley & Sons, Inc. Publishers,

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

URL: 

公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi