研究概要 |
P-【O_2】N【C_6】【H_4】O(【CH_2】)nNHPh同族列について、nを変えて光反応を行ったところ、n=2-6まではP-【O_2】N【C_6】【H_4】NPh(【CH_2】)nOHを生成するスマイルス型転位反応n=8以上ではP-ON【C_6】【H_4】O【(CH-2)-(n-1)】CHOと【H_2】NPhを生じる分子内酸化還元反応を起こし、ほとんど反応しないn=7が反応の切り替え点となることを確認した。また、レーザーフラッシュ法により、どちらの型の反応でも、中間体は分子内電子移動により生じるラジカルイオン対であることを確かめることができた。したがって、この反応経路の切り替えは中間体の相違ではなく、メチレン鎖長により、反応に必要な配座をとれるかどうかが支配されるためであることが明らかになった。さらに、P-ニトロアソールとN-アルキルアニリンをモデル化合物として、分子間の光反応を行ったところ、酸化還元反応のみが起こったことから、スマイルス型転位は制約を受けた反応配座でのみ起こることが確かめられた。 メチレン数が8以上の同族体では、磁場の中で光反応を行ったところ、ニトロソ化合物の生成速度が低下することが認められた。この効果は酸化還元反応には程度の差こそあれ共通に認められたが、スマイルス転位型の反応では認められなかった。磁場が0.01T以上でこの効果が飽和に達することから、この現象は、三重項状態のラジカルイオン対が一重項状態に系間交差を起こす過程が磁場の影響を受けるためであることが分かった。なお、アニリン側にF,【^(13)C】,Dなどを導入して効果に変化を与える試みは成功しなかった。 光電子移動で生じるラジカルイオン対に磁場効果が認められた例はこれまでほとんどないので、類似の系について長鎖同族体の反応に対する磁場効果を調べた。その結果、P-【O_2】N【C_6】【H_4】O基の代りに、m-【O_2】N【C_6】【H_4】O-,4-【O_2】N【G_0】【H_6】-1-0などの基の入った化合物でも磁場効果が認められた。
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