研究課題/領域番号 |
61540386
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 新潟薬科大学 |
研究代表者 |
大胡 恵明 新潟薬大, 薬学部, 助教授 (10016115)
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研究分担者 |
武内 征司 新潟薬科大学, 薬学部, 講師 (00131011)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 固相反応 / 光異性化 / アルキル遷移金属錯体 / コバルト / ロジウム |
研究概要 |
我々は、さきに固体状態でβ-シアノエチル或いはβ-メトキシカルボニエチルコバロキシム錯体が光照射によりα-体に異性化することをみいだした。別途合成したα-体の結晶に光照射してもβ-体を生成しないことから本異性化(β→α)は不可逆反応であると考えられた。しかしながら、標準濃度(1%KBr disk)に於ける光反応ではα/β比が一定値に漸近する傾向がみられること、また別途合成したα体がα→β異性化し得ないような結晶構造をとっている可能性も考えられること等から、逆反応の可能性を完全に否定し去ることはできなかった。本研究では、まず、この問題点解決のために、低濃度条件下で長時間光照射を行い、経時変化を徹底的に追跡した。その結果、図で【R_1】=【R'_1】=C【H_3】、Y=【R_2】=H、X=CN、【R_1】=C【H_3】、【R'_1】=Ph、Y=【R_2】=H、X=CNの錯体の場合、異性化とともに系内に生成するC【H_3】CH CNラジカルが平面配位子のメチルからHを引抜いてC【H_3】C【H_2】CNを生成する反応が同時にゆっくりと進行していることが解った。一方、平面配位子が【R_1】=【R'_1】=Phの錯体では引抜き易いHがないためC【H_3】C【H_2】CNの生成反応は進まない。また、光照射7.5時間後この系より単離された錯体のNMRには、原料のβ-体のシグナルが完全に消失していることが解り本異性化の不可逆性が実証された。更には、【R_1】=C【H_3】、【R'_1】=PH、Y=【R_2】=H、X=OHの光学活性錯体[A]、【R_1】=【R'_1】=C【H_3】、【R_2】=H、X=Y=CooCH、B=/-Phenylethylamin(/-PEA)[C];【R_1】=【R'_1】=C【H_3】、【R_2】=H、X=Y=CN、B=/-PEA[D]の光学活性錯体を合成することができた。[A]の光反応ではアセトアルデヒドの生成が確認された。また、[C]のX線照射ではラセミ化は起らないが光反応によりラセミ化が進行することが認められた。また、M=Rh、【R_1】=【R'_1】=C【H_3】、Y=【R_2】=H、X=CNの錯体でもβ→α異性化が起ることが確認された。
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