研究概要 |
1)マギレソゾ(Laurencia obtuso)の抗腫瘍活性成分の単離と構造決定北海道天売島で採集したマギレソゾ(風乾3Kg)を常法により処理し中性部を得、P-388細胞に対する細胞増殖阻害活性を指標とし、シリカゲルのオープンカラム,次いで順相あるいは逆相のカラムを用い繰返し高速液クロで分離を行った。構造決定は、スペクトルおよび化学変換によった。構造が決定されたもののうち幾つかを、E【D_(50)】がわかったものはそれを添えて以下に示す。既に我々によって発表されているthyrsiferol23-acetate(注1),(E【D_(50)】0.3ng/ml)を含めこれらの化合物は極めて高活性である。この外に数種類の関連化合物が単離されている。 2)プロモーター活性成分の単離と構造決定1)と同様にして得た中性部が発癌プロモーター活性を示したことからその分離を試みた。単離された最も活性な部分はthyrsiferyl23-acetateであることが判明した。このものの生化学的テストを行ったが従来の生化学的テストには不活性であった。現在その理由を検討中である。 3)マギレソゾの生育場所の調査と代謝産物の違い函館,釧路,網走,稚内などを調査したが、現在までのところみつけるに至ってない。 注1) T.Suzuki et al.T.L.26.1329(1985)
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