研究概要 |
1.【N_2】O分析のための船上ガスクロマトグラフの製作 ECD検出器付ガスクロマトグラフ(島津GC-8IE)およびインテグレーター(島津C-R3A)を購入し、GC-8IEに標準ガス注入用のガスサンプラーを装着した。海水約120mlを用いて【N_2】Oガスを抽出・回収し、GCへ導入するためのラインを作成した。【N_2】Oの抽出は、抽出時間10分間で満足すべき抽出率(>99%)を得た。【N_2】O分離のためのカラム充填剤について種々検討し、モレキュラーシーブ(5Aおよび13X)が適当であることが分った。 2.試料採取および【N_2】Oの分析 フィールド調査として、「しんかい2000」による相膜トラフと沖縄トラフの潜航調査、淡青丸KT86-18次航海(日本近海)およびハワイ大学R1【V】MOANA WAVE号による北フィジー海盆調査に参加した。プレート・テクトニクスの見地から二通りの代表的な場、すなわちプレートの沈み込み域(相模トラフ,駿河トラフおよび南海トラフ)と背弧海盆におけるプレート拡大域(沖縄トラフおよび北フィジー海盆)において、海底直上の海水を合計約百試料採取し、バイアル瓶に殺菌保存した。また、カメルーン・ニオス湖,事件に鑑み、本邦の代表的カルデラ湖(摩周湖,池田湖および鰻池)の調査にも参加し、ガス分析のための湖水試料を採取した。これらの海水および湖水試料の【N_2】Oおよび【CH_4】分析(別のFIDガスクロマトグラフによる)を続行中である。なお沖縄トラフ総合調査が、本年5月に計画(白鳳丸)されている。 3.結果の解析 海底熱水活動およびプレート沈み込みに伴う湧水系において高い【CH_4】濃度を得た。【N_2】O分析の終了後、総合的解析を行う。また関連した比較研究として、ハワイ・ロイヒ海山(ホットスポット)のガス分布,特性を明らかにした。
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