研究課題/領域番号 |
61540419
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析・地球化学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
鈴木 諄亮 静大, 教育学部, 教授 (40021901)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 吸光光度分析 / 等濃度法の原理 / ブリリアントグリーンによるアンチモンの定量 / 金属亜鉛分析 |
研究概要 |
1.本法に従って、既知量(0.1〜5.0μg)のアンチモン標準試料の分析を行った。従来、発色試薬ブリリアントグリーンとアンチモン(V)との反応は定量的であり、その吸光度はBeerの法則に従うとされている。しかし、本法での試料と標準との吸光度比はY切片を1とする直線に極めて近いS字型を示し、濃度により見かけ上分子吸光係数が変化する濃度依存型であることが分かった。これは、発色試薬との反応が定量的でないか、発色試薬との反応生成物による光遮蔽効果によるものか、その両方の効果によるものか、今のところ明らかでない。吸光度比が1となる点から求められた定量結果は、精度は相対標準偏差で1.0μgでは3.0%、5.0μgでは1.4%と良好であった。なお、640nmでの見かけの分子吸光係数は1x【10^5】d【m^3】/mol・cmと求められた。 2.高純度金属中の不純物の定量例として、高純度亜鉛中の微量アンチモンの定量に応用した。高純度亜鉛20mgに対する分析値は0.40±0.02μgと不足当量放射分析法による結果と良い一致を示した。 3.本法の原理をプログラム化した内蔵マイコン型分光光度計の設計、試作については、プログラムのROMチップへの移植を現在検討している。 4.以上のように、本法では、定量目的元素と発色試薬との反応が濃度に依存さえすれば正確かつ精度良い定量が可能である。検量線法と異なり検量線を作成する必要はないが標準系列を作る操作を必要とする。しかし、これは特に煩雑な操作ではない。また、定量への共存物質の影響は試料中の共存物質の同一量が標準系列中にも存在するよう調製するか、試料系列中に加える標準添加量を調整すれば除去できるため、正確な分析値を得ることが可能である。一方、本法の原理は吸光光度分析法ばかりでなく検量線法によって定量する他の分析法へも適用が可能であり、これについては現在、電気分析法等へと発展させようと計画中である。
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