研究概要 |
1.以下のような6個の配位原子がすべて窒素で、幾何学的な構造だけが異る7種の配位子の合成を試み、その中のいくつかの酸性成定数と銅(【II】)および亜鉛(【II】)錯体の安定度定数を精密電位差滴定法により決定した。 (【I】):1,4,7,10,13,16-ヘキサアザヘキサデカン (【II】):1,4,7,10,13,16-ヘキサアザシクロオクタデカン (【III】):N,N,N′,N′-テトラキス(β-アミノエチル)ジアミノエタン (【IV】):N,N′-ビス(1,4,7-トリアザ-1-シクロノニル)ジアミノエタン (【V】):1,1,1-トリス(β-アミノエチルアミノメチル)エタン (【VI】):N,N′,N′′-トリス(β-アミノエチル)1,3,5-トリアミノシクロヘキサン(【VII】):N,N′,N′′-トリス(β-アミノエチル)1,4,7-トリアザシクロノナン 2.これらは計画書記載通りの方法で合成した。特に今回は原料の一つであるN-トシルアジリジンの純度の良い製造に成功したため、β-アミノエチル化反応が著しく改善された。しかし(【II】)と(【IV】)のリング化や、新物質の(【VI】)と(【VII】)の最終反応の収率が悪いため、これらは安定度測定に供するだけの良い純度のものが得られていない。そこで測定は(【I】),(【III】),(【V】)について行った。 3.25℃,イオン強度1(K【NO_3】)における測定結果は次のとおりである。 酸生成定数 Log【Ka_1】 Log【Ka_2】 Log【Ka_3】 Log【Ka_4】 Log【Ka_5】 Log【Ka_6】 (【I】) 10.63 9.57 9.13 7.14 4.66 3.47 (【III】) 10.60 9.93 9.56 9.02 2.49 - (【V】) 10.68 9.97 9.40 7.27 5.29 2.59 安定度定数 Zn(【II】) Log【β_(ML)】 Log【β_(MHL)】 Cu(【II】) Log【β_(ML)】 Log【β_(MHL)】 Log【β-(MH-2L)】 (【I】) 10.19 17.25 (【III】) 23.61 32.10 35.41 (【III】) 16.84 25.40 (【V】) 23.41 32.75 38.23 (【V】) 17.11 23.80
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