研究概要 |
本研究の研究成果として以下の諸結果が得られた. 1.細胞再構成及び遺伝子組換え実験に便利な種々のパン酵母Saccharomyces cerevisiaeの突然変異体を分離した. これ等突然変異体を利用することにより簡単に形質転換や細胞再構成がチェックできるようになった. 2.ミトコンドリア移植と核融合突然変異体とを利用した段階形質転換法(Stepwcse transformation)を開発した. 3.巨大酵母Wickerhamia fluoresenceやCandida ingens等のプロトプラスト化とその再生条件を検討して, 細胞再構成に利用可能なことを明らかにした. 4.超巨体染色体DNAの分離可能な電気泳動装置及び細胞融合装置を開発し, 核, ミトコンドリア, プラスミドDNAの分離が可能となった. また遺伝子のマッピングにも応用可能となった. 数種の酵母で電気泳動核型を決めた. 5.酵母遺伝子解析支援ソフト(YGAP)を開発した. これにより突然変異の分離, 解析, 四分胞子, ランダム胞子解析, マッピング, 菌株管理, データベース検索を迅早, 容易した. 6.野生ホモダリック株(雌雄固体)からヘテロリック株(雄雌異体)を得て, この酵母がミトコンドリア遺伝に関してプチーポシテイブであることを明らかにした. 7.以上の開発諸結果を用いて無核細胞, 単離核とミトコンドリアとから細胞を再構成して, 細胞質と核との相互作用を調べる実験系を開発した. 設備々品として購入した超低温槽と性能的に問題があったものゝ, プラスミド, ONA, 酵素, 菌株の保存に使用している.
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