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両生類の受精における精子依存性の電気的反応の解析

研究課題

研究課題/領域番号 61540521
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 動物発生・生理学
研究機関山口大学

研究代表者

岩尾 康宏  山口大学, 理学部, 助教授 (10144916)

研究期間 (年度) 1986 – 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1987年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード受精電位 / 多精防止反応 / 交雑受精 / 両生類 / 受精 / 精子 / 多精防止
研究概要

無尾両生類(ヒキガエル)と有尾両生類(イモリ)における, 正常受精時にみられる卵細胞膜のイオン透過性の変化を, イオン置換法, イオンチャネル阻害剤, および膜電位固定法によって詳しく調べた. カエル卵では以前までに観察されていた受精電位発生の前に, 新しいスパイク様の電位が最初に発生することが明らかとなった. このスパイク電位は, 受精電位と同様に, ClやIなどのハロゲンイオンの透過性の増加により生じることがわかった. さらに, 未成熟卵での多精受精時にも卵への侵入精子数によく対応した同様のスパイク電位がみられることから, この電位は精子に依存した反応であると考えられる. 一方, イモリ卵では受精時に大きな電位変化は認められないが, やはり精子の侵入によく対応した過分極電位がみられた. この電位に関与するイオンチャネルはまだ明らかにできていない. しかし, 今回の研究から両生類卵の受精時には共通して精子依存性の電気的反応があることが明らかとなった.
ヒキガエル卵とイモリ精子との交雑受精時には, スパイク様電位はなく, 正常受精時にはみられない過分極電位がみられた. これは主としてNaイオンのような1価の陽イオンの透過性の増加によっていることが明らかとなった. イモリ卵とヒキガエル精子との交雑受精が可能となる条件をみつけることはできなかったが, イモリ卵とカスミサンショウウオ精子との交雑受精が可能であることを発見した. このとき, イモリ卵では侵入精子に対応した小さな脱分極電位がみられた. このように, カエル卵のイモリ卵の両方において, それらに侵入する精子の種類によって, 全く異なるイオンチャネルが開放されることが明らかとなった. これらのイオンチャネルが精子細胞膜に依存し, 受精時の膜融合により卵細胞膜にもたらされている可能性が大きい.

報告書

(2件)
  • 1987 研究成果報告書概要
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] Yasuhiro Iwao: Zoological Science. 3. 1035 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yasuhiro Iwao: Developmental Biology. 123. 559-565 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yasuhiro Iwao: Zoological Science. 4. 1064 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hisashi Yamasaki: Journal of Experimental Zoology. 243. 331-338 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yasuhiro Iwao: "Properties of fertilization potential of immature toad oocytes." Zoological Science. 3. 1035 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yasuhiro Iwao: "The spike component of the fertilization potential in the toad, Bufo japonicus: changes during meiotic maturation and abscence during cross-fertilization." Developmental Biology. 123. 559-565 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yasuhiro Iwao: "A positive fertilization potential in the salamander, Hynobius nebulosus eggs." Zoological Science. 4. 1064 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hisashi Yamasaki: "Behavior fo "accessory" somatic and sperm nuclei introduced into physiologically polypsermic newt eggs." Journal of Experimental Zoology. 243. 331-338 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Y.Iwao: Zoological Science. Vol.3. 1035 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Iwao: Developmental Biology. (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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